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STUDY

うららかな日曜日の昼頃。二人はもうすぐであるテストの勉強をしていた。

当初、リョーマは一緒に勉強することを嫌がっていたのだが。
「苦手なトコ教えあおうじゃないか!」
「お前に教えてもらうってのも…」
「でも赤点とったら困るっしょ?この際プライドは捨てちまえ!な?」
…と、あまりに必死なエリーが暑苦しかったので、仕方なく引き受けたのである。

何だかんだでけっこう面倒見が良いよね。自分の願いが叶って嬉しそうにそう呟くエリーに、リョーマはさっさと始めるよと冷たくあしらった。

そして今現在、仲良く(?)英語の勉強中。

「When is your birthday?」
「はい! 1月1日です!」
「アホ」
「いてっ」

パシっと持っていた丸めた教科書で頭を叩くリョーマ。いきなり何なんだ、とエリーは頭を押さえた。

「お前は英語どころか日本語も読めないの?」
「なワケないじゃん! 日本人暦12年だぞあたしは!」
「何それ。…とにかく、問題よく見ろ」

呆れたように言われて、エリーはワークをじっくり見てみた。「問:次の英語を訳しなさい」とそこには書かれている。

「えーっと、つまり、『何フツーに受け答えしてんじゃゴルァ!』て意味で叩いたの?」
「そう。わかったんなら、答え」
「…質問何だったっけ」
「…When is your birthday?」
「あぁそうだった。これはー…『貴方の誕生日はいつですか』だ!」
「正解」

何でたった一問(しかも超簡単)解くのにこんな時間かかるんだか。リョーマは出そうになった溜め息を耐えて、次に行こうとすると。

「あ、ストップ」
「…何」
「せっかくあたしの誕生日教えたのに、こう、何かないのー」
「ない。はい、次いくよ」
「え、ちょ、待ってってば。あれだよ? あたしリョーマと一緒の山羊座なんだぜ?」
「だから」
「んと…運命感じない?」
「じゃあ俺はこの世の何億人の人に運命感じなきゃいけないわけ」
「あ、確かに」

失念だった。あっはっはと笑いながら頭をかくエリー。
勉強後に予定していたテニスはいつになったら出来るやら。先程耐えた事も虚しく、結局ため息が漏れたリョーマだった。

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