dream | ナノ


そんな日もあるさ

ガラガラガラ…
(※風呂場の引き戸が開く音)
ぺたぺたぺた…
(※髪から拭いきれてない水滴を零しながら廊下を歩くリョーマ)
(※今日は無事一人で入れて満足げな様子)

「あ、リョーマ。風呂終わったんだ」
「ん」
「内側から南京錠を掛けてくるなんて、流石のあたしも想像つかなかったよ…」
「今度部屋にもつけようかなー」
「え、それは勘弁して…!」

(※南京錠とは、箱状の本体とU字型の金属の足(ツル)からなるモノ)
(※Wikipediaより)

「あ、シャンプー 俺で使い切ったけど」
「あぁ大丈夫。菜々子さんに買ってきて貰って…………あれ、」
「…」
「…あたし、シャンプーどこ置いたっけ」
「…知らない」
「のぉお!?」

ガチャッ…
(※焦るエリーをよそに冷蔵庫を開けるリョーマ)
(※牛乳を取り出そうとしたその時!!)

「……」
「うわ、マジ思い出せね〜…」

ドンッ
(※悩むエリーの頬に衝撃)
(※何事か、と視線の先には呆れてこちらを見てるリョーマの顔)

「な、何ですか越前さ…あり、これってもしかしてシャンプー!?」
「もしかしなくてもシャンプー」
「え、ドコにあったの?」
「…はぁ」

ドンッ
(※ため息をつきながら、もう一度シャンプーでエリーの頬を殴る)
(※そこでやけにシャンプーが冷たい事に気づく)

「…あ、」


(※回想)

『おかえりなさい菜々子さんっ』
『ただいま、エリーさん。シャンプー買ってきましたよ』
『どもっス!あ、あたしが野菜とか冷蔵庫に入れておくんで休んでて下さい』
『じゃあ、お願いしますね』

(※袋を受け取る)
(※持ち運び、冷蔵庫の所で下ろす)

『ひゃ〜多いなぁ。一気に入れちゃえ!』

ドバドバドバッ
(※ろくに見ずに袋の物をとにかく冷蔵庫に詰め込むエリー)
(※回想終了)


「…」
「…」
「…」
「…」

ぺたぺたぺたぺた…
(※無言で2階へ行こうとするリョーマ)

「っちょ、リョーマ!」
「…何」
「何でいつもみたいに『バーカ』の一つもないのさ!!」
「……」

ぺたぺたぺた…
ぽんぽん
(※エリーに歩み寄り、肩に手を置くリョーマ)
(※やはり無言でそのまま階段を上っていった)

「…」
「……」
「………哀れむぐらいなら…ッ、いっそ馬鹿にして欲しかった…ッ!!」

(※シャンプーを持ちながら、叫ぶエリー)
(※夜なので近所迷惑である)
(※その後、エリーは冷えたシャンプーで髪を洗ったらしい)

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