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視線

試合のときに折々みせる、ゾクリと震える位 綺麗な瞳が大好きで、ずっと見ていたいと思った。君を見てると飽きなくて、楽しくて、いつも目が離せなくなっていた。いつも視界に入ってないと落ち着かないあたしは、きっとかなりの重症なんだと思う。

ああもう大好き!


「(ジーーッ)」
「……」
「(ジーーーーッ)」
「………」
「(ジーーーーーーッ)」
「…………あのさ、」
「ん、何ですかい越前さん」
「何ですか、じゃない。言いたい事あるならハッキリ言え」
「へ」
「さっきから視線がウザイ」
「うわ、ひでえ。…まぁ、特に言いたい事なんてないよ」
「じゃあ何で見てくるわけ?」
「…さぁね?」

見つめるのに理由なんてないよ。気づけば目が君を追ってしまってんだから。…まぁ、んなコト、また呆られちゃうから言わないケド。

「ちなみに越前さん」
「…何?」
「天下の青学ですから。イケメンさんたくさんいるテニス部ですから」
「…?」
「ギャラリーもたくさんいるんだよ?リョーマ見てる人もたくさん」
「で?」
「結論言っちゃうとー何であたしだけの視線が気になるかって事さぁね」
「……っ」

リョーマはそれでなくてもキレイなんだから。女の子だけじゃなくて、男すら魅了される。その容姿に、その瞳に、その強さに。もー嫉妬しちゃうほどの視線を毎日浴びている、愛しの越前さん?あたしだけの視線が気になるのはどうしてかな??

「べ…つに…」
「ね、何で?」
「…エリーの視線が一番ウザイから…」
「ふーん?よくあたしからの視線だってわかるね、って言ってるですけどー? フフ」
「う…」
「(ニコ ニコ ニコ ニコ)」
「〜っっ…オレ、もう行くから…」

あらら、行っちゃった。都合が悪い時(たいてい照れてるんだよね)は、帽子を深く被り直すというお得意の癖をして。
可愛いなぁ。愛しいなぁ。顔はニヤけっぱなしです、はい。
コート脇のベンチに座りながら、またリョーマを見つめる。怒られたって、殴られたって、あたしはずっとずっと見つめ続ける。


視 線 の 先 に は い つ も 君 が
(恋は盲目、なんて昔の人は上手いことを言ったものだよねー)
(…あ、そろそろ部長に校庭20周命じられる前に仕事しよ)

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