初春「御坂さん、よく、悪い人達をぶっ飛ばしていますもんね」

黒子「お、お、お姉様………ど、どうしましょう…う、初春…わ、わたくし、
昨日お姉様にとんでもないことを……」

初春「え…ま、まだケンカしてたんですか、白井さん…?け、けど、大丈夫ですよ、
御坂さんなら謝れば許してくれますよ!」

黒子「(い、いや…き、昨日のお姉様はそんなレベルの怒り方じゃなかったですの…
一時の気の迷いとはいえ……お姉様をお縄にかける、なんてことを言ってしまうなんて……わたくしは……なんて、ひどいことを……)」


その日の夜  

初春の家

初春「で?白井さん…いつまで、私の家にいるつもりですか?とっくに寮の帰宅時間は過ぎてますよね?」

黒子「そ、そ、そんなこといったって……寮に帰れるわけありませんの…
昨日の夜は寮監様が気をつかってくれて別々の部屋でしたけど……
今日、お姉様にどの面下げて会えばよろしいのですの…!?」

初春「そんなこといって…ちゃんと謝るチャンスじゃないですか…
さっきも言いましたけど、素直に謝れば御坂さんだって…」

黒子「初春は昨日のお姉様を知らないから、そんなこといえるんですの!!
……信じられない目つきで黒子のことをにらんでいたんですの!!」

初春「み、御坂さんがそこまで……白井さん…なに言ったんですか…?」

黒子「そ、それは言えないですの…」

黒子「(思えば…お姉様は昨日の夜、仲直りしようと、お姉様の方から謝って きてくださいましたのに……いいえ、それだけじゃありませんわ…
黒子の方こそ、お姉様のこと、疑ってしまって…)」

黒子「(うう…し、しかし、今更、どの面さげて謝ればいいのですの……
もしかしたら、黒子を見た瞬間、電撃をぶっ放してきたりして…)」

黒子「(も、もしかしたら、もう、お姉様との関係は修復不可能なんじゃ…
そ、そんな…お姉様…黒子は…黒子は…!!!)」

初春「(白井さん…ずいぶん思い悩んでるみたい…)」

ぷるるる…(携帯のなる音)

初春「あれ、佐天さんから電話…?…もしもし?……ってええ!?」

黒子「…どうしたんですの?」

初春「あ、い、いやなんでもないです…白井さん、私、ちょっと席をはずしますね」

黒子「?」

電話中(初春-佐天)

初春「御坂さんが佐天さん家に!?」

佐天「うん、なんか今日は寮には帰りたくないって…事情を聞いても話してくれなくて…」

初春「じ、実は、白井さんも私の家にいるんですよ、佐天さん!」

佐天「え!!白井さんも……ってことはあの2人もしかして…」

初春「ええ…ケンカ中みたいなんです…」

佐天「そ、そうなんだ、昨日、ケンカしてる話は私も御坂さんから聞いたけど、
もう仲直りしたものだと思ってた…」

初春「ど、どうしましょう、佐天さん…、こ、このままじゃあ…
なんとか仲直りさせてあげられないですかね…」

佐天「うーーーん、……そうだ初春、こういうのはどうかな?」

初春「え?」


一時間後…

黒子「はあ……」

初春「いいかげん元気だしてくださいよ、白井さん。
折角、佐天さんが夜、一緒にファミレスで食べようって、誘ってくれたのに」

黒子「そんな気分じゃありませんの……まだ、はあ…まだ歩くんですの…?」

初春「もう、白井さん、老人じゃあないんですから…、あ、ほら、見えてきましたよファミレスが!
店の前で佐天さん、もう待ってるみたい。」

佐天「初春!!こっちこっち!」

黒子「ん…?……(ってええええええええええ!!!!!!
あれは、お、お、お、お姉様!!!!な、な、なんで佐天さんと一緒にいるんですの…!!!)」


さかのぼること一時間前…

電話中(初春-佐天)

初春「なるほど、ファミレスで待ち合わせするふりをして、二人を引き会わせる作戦ですね!」

佐天「うん、お互い今は気まずくて会いたくないみたいだけど…会えばさすがに仲直りするでしょ!」

初春「だといいんですけど……また、ケンカになったりしないですかね…?」

佐天「う、うーーーん、だ、大丈夫だと思うけど……け、けどどっちにしても会わないと仲直りもできないわけだし…」

初春「そ、そうですよね。ふ、ふたりなら、き、きっと大丈夫ですよね!!あの2人なら!!」

再びファミレス前

黒子「………………」

美琴「………………」

佐天「(げえ…………む、無言…)」

初春「(き、気まずいです…作戦は失敗かなぁ…?)」

黒子「(お…お姉様…)」

黒子「(お姉様…、お姉様が目の前に…!け、けど、全然顔見れないのですの…
ま、また…昨日の夜みたいな目つきで黒子のことにらんでいるんですの…?)」

黒子「(と、とにかく、あ、あ、あやまらなくては……!!!
け、け、け、けど…な、なんて言ってあやまれば………!!)」
黒子「(し、しっかりするのよ、黒子!!ここで、あやまらないと、お姉様と、
お姉様との関係が、一生駄目になってしまうかもしれないのに…!!
…あ、な、なんか泣きそうになってきましたわ…、
や、やばい…涙をこらえている場合じゃないですの!)

黒子「(け…けど…な、なんて言えば許してもらえるんですの…?
お、お姉様…黒子は…黒子はお姉様にひどいことを……
け、けど、お姉様…黒子はお姉様のこと……!!
お姉様…う、うう…)」


初春「(あ、やばいです…白井さん…今にも泣きそうな顔してる…)」

佐天「(あちゃー…作戦は失敗かな…白井さん、限界だよ…もう泣いちゃうかも…御坂さんは…)」

佐天「え!?み、御坂さん!?」

初春・黒子「え?」

ぼろっぼろっぼろっ…

美琴「う…ううう…く、黒子ぉ……」

黒子「お、お、お姉様…?」

美琴「う、ふ、ふええええーん…」

佐天「(あれぇぇぇ!!な、なんでみ、み、御坂さんの方がぼろ泣きしてるの…!!)」

初春「(そ、そ、そんな…い、い、意外です…、み、御坂さんがこんなに泣くなんて…!!)」

初春「み、御坂さん!!ど、どうしたんですか、だ、大丈夫ですか!??」

美琴「く…黒子…わ…わたし…ヒッ…ヒッ…あんたに…ひ…ひど…ご…め…」

佐天「み、み、御坂さん!!ほ、ほんとに大丈夫ですか!?
(そ、それにしても、泣き方が普通じゃない…)」

初春「(み、みてはいけないものを見ている気が…)」

黒子「……お姉様…」

美琴「ぐす…ぐす…わ、わたし…く、黒……に…ひど…ひっ、ひっ…言って…
そしたら…ひっく、ひっく……黒……子…が、ひっく…わ、わた……を
お、お、お縄にかけ……言うから……ぐす…ぐす…」

美琴「こ、こんなに黒子が……ひっく…怒るなんて……思わ……な…くて……
わた…すご…ひっひっ…ショ……ックで……で、でもく、黒子…わた…
じ…自販…機、壊したりとか…してな…ぐす…ぐす…だよ…?」

初春・佐天「……………(な、なんていってるか全然わからない……)」

初春「(…さ、佐天さん、これっても、もしかして、白井さんより、御坂さんのほうが精神的に追い詰められてたんじゃあ……?)」

佐天「(うん…よくわかんないけど、白井さんに何かひどいこと言われたのが、効いたのかな…?
…小さい子供みたいに泣いてる
…も、もしかして、御坂さん、実はすっごく打たれ弱いのかも…)」


黒子「お、お、お、お姉様ぁ………」

美琴「ううううう…け、けど…、さ、最初にヒック…ヒック…アンタ…
疑った…は…わたし…ヒック…ぐす…ぐす…から…わたし…悪……だから…
…く、黒子…ほん……に…ごめん…………」

佐天「(い、いま、謝った!!謝ったよね…!?み…御坂さんの方が最初に謝った!)」

初春「(い、今です!白井さん!白井さんも今あやまれば……)」

黒子「う」

黒子「うううううううううううううううう……お、お姉様…
お姉様お姉様お姉様お姉様おねえさまおねえさま
おねえさまおねさmさおねあgじゃ…」

初春・佐天「え………」


黒子「お姉えええええええええさあああああああああああまあああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

ガバアッ!!!

美琴「きゃああああああ!!!」

美琴「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ…く、黒子!!???なんで急に抱きついて…!!」


黒子「お姉様!!!わ、私のほうこそ、お姉様にひどいこと言って、
も、申し訳ありませんのぉぉぉぉぉぉぉっぉぉ!!!!
お…お姉様が、そ、そんなにき、傷ついていたなんて……ほ、ほんとに…
ほんとにごめんなさいですのぉぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!!」

美琴「……く…黒子…わ、わたしのほうこそ、ほんとごめんね…ぐすっぐすっ…」

初春・佐天「(よかった…)」

初春「…どうやら、お互い仲直りしたくてしょうがなかったみたいですね」

佐天「うん。…まあ、これにて一件落着ってやつね」

初春「そうですね………あ、そういえば、まだ、夜ご飯まだだから、みんなで…

………って…あ……いや……佐天さん、やばいです、どうしましょう…」

佐天「え、なにが?」

初春「白井さんが…暴走しはじめてます…」

美琴「ちょ……黒子…も、もう分かった!分かったから!!
も、もういい加減はなれなさいよ!!!」

黒子「お姉様!お姉様!お姉様!お姉様ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
ぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!お姉さまお姉様お姉様ぁううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!
いい匂いですわ…くんくん
んはぁっ!お姉様の髪をクンカクンカですわ!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えましたわ!モフモフしたいですわ!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
お姉様の泣き顔かわいすぎですわ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!
ふぁぁあああんんっ!!
仲直りできてよかったですわお姉様!あぁあああああ!
かわいい!お姉様!かわいい!あっああぁああ!お姉様と仲直りできてうれしいですわ…いやぁああああああ!!!
にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
(中略)
いやっほぉおおおおおおお!!!お姉様!!やりましたわ!!ひとりでできるもん!!!
お、お姉様ああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあお姉様ぁあ!!(中略)
ううっうぅうう!!黒子の想いよお姉様へ届け!!学園都市のお姉様へ届け!」


美琴「………は・な・れ・ろ・って……
   
いってんでしょうがあああああああああ!!!!!!!!!!」

バリバリバリバリバリィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

佐天「(あーーーーあ…)」

初春「(白井さん…台無しです…)」


後日

喫茶店にて

佐天「結局、御坂さんをだました常盤台中学の生徒、見つからないんですか?」

黒子「ええ…まあ、3人の生徒の顔を見たのはお姉様だけですし…そのお姉様も顔をあんまり覚えていないとあっては…」

美琴「しょ、しょうがないでしょ!?3人と会ったのってほんの数分だし…」

初春「自販機を壊した真犯人もまだ、捕まっていませんしね」

佐天「けど、こんな事件が2つも同時にお二人にふりかかるなんて…これはやっぱり匂いますね」

初春「ようするに、その御坂さんをだましたグループと、白井さんをだました犯人がグルってことですか?」

佐天「だって、偶然にしてはできすぎてるでしょ!?やっぱりこの学園都市には、お二人の仲を引き裂こうとしてる人達が…」

黒子「ふっ…そんなことはもうどーーーーーでもいいですの」

佐天・初春「え?」

黒子「いいですこと?お姉様はこの学園都市230万人の頂点、7人しかいないレベル5の第3位…
そしてわたくしは学園都市の悪をとりしまるジャッジメントですのよ?
元々、妬まれたり、恨まれたり、羨まれたりする存在…
敵なんて学園都市に吐いて捨てるほどいることぐらい、わかりきったことですの」

佐天「そ、それはそうかもしれないですけど…いいんですか?
今回、2人をだました犯人を野放しにしていて」

黒子「まあ、もちろん野放しにはいたしませんけど…仮にその連中を捕まえたところで…
どうせ、そのような連中は次から次にでてきますの」

黒子「けど…黒子は、今回の一件で確信しましたの…
たとえ、どんな相手が黒子とお姉様の前にたちふさがろうとも…
2人の愛は、永遠だということが…!!!」

美琴「な、あ、愛とかいってんじゃないわよ!!うっとしいわね!!!」

初春「ま、まあまあ、御坂さん…」

黒子「(フヒヒ…そ、それにしても…あの日のお姉様のこと…
思い出すだけで…黒子は…黒子は…や、やばいですわ、
また、理性が……プツンッ!」

黒子「お姉ええええええさまあああああああーーーーーーん!!!
黒子は!黒子はもう……!!きええええええええええ!!!」

ガバア!!!

初春「ちょ…!!白井さん!!!??こ、ここどこだと思ってるんですか!??」

佐天「き、喫茶店では止めてください!!」

美琴「だかっらあああああ、あんたは、その変態精神をなんとかしなさい…
って……いつも、言ってんでしょ大オオおおおがあああああああああああああ!!!!」

バリバリバリバリバリバリィィィィィィ!!!!!!!!!!

佐天・初春「あーーあ…」

                              おしまい


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