弱いものいじめするやつを取り締まる人じゃないですか」
美琴「そ、それは…」
美琴「……(いや…そうだ、そうだよ…よく考えたら、黒子がそんなことするわけない…
朝のケンカでイライラしてたのは、私の方だ…。落ち着いて考えれば、そんなの、すぐ分かりそうなものなのに…)」
美琴「……け、けど、それじゃ、本当にプールに落とした犯人は、誰なのかしら…!?」
佐天「さあ…?そこまでは……けど、案外、自作自演だったりして…」
美琴「え?自作自演?それってどういうこと?」
佐天「だって御坂さん、学校ですごい人気じゃないですか!!ファンクラブまであるっていうし…
だから、御坂さんといっつも一緒にいる白井さんを妬んで、2人の仲をひきはなそうとして…とか…」
美琴「ま、まさかぁ……だ、だって、そんな感じの子達じゃなかったし…」
佐天「いやー、人は見かけによらないですよ御坂さん、特に女の子の嫉妬って怖いから…」
美琴「そ、そうなのかな……け、けど、そんなことより、私、黒子に酷いこと言っちゃった…黒子に謝らないと…」
美琴「(うう…けど、気まずいなあ…黒子…もう、寮に帰ってるかしら…?)」
その日の夜 寮内にて
美琴「た…ただいま…」
黒子「……………」
美琴「(うっ…く、黒子…もう寝ちゃってる…い、いや…寝たふりかな…
やっぱり怒ってるのかしら…)」
黒子「……………」
美琴「…あ、あのさ、黒子……さ、さっきはごめん……そ、そのさっき佐天さんに聞いたら、黒子は昼休み中、初春さんとずっと電話してたんですってね……」
黒子「…………」
美琴「…い、いや、違う、そうじゃない…そんなアリバイなんかなくたって、黒子がやるわけないって初めからわかりそうなものなのに…
私、黒子のこと疑ってしまって…その、ほ、ほんと、ご、ごめ…」
黒子「も、もういいですの、お姉様!!!」
美琴「く、黒子…」
黒子「も、も、もう、今日の一件で分かりましたの!!
お姉様が黒子のことなんてみじんも信用してないって!!
く、黒子のことより、ど、ど、どこの馬の骨とも知れない生徒達のほうが信用できるんですわ!!!!」
美琴「だ、だからそれは…!!」
黒子「それにお姉様!!!どういうことですの!
いくら、黒子のことでイライラしてるからって、自販機を超電磁砲でぶっ壊すなんて!!
下手したら、怪我人がでるとこでしたのよ!!」
美琴「は、はあ!?なによそれ?なんの話よ、私、そんなことやってないわよ!!」
黒子「とぼけたって無駄ですの、お姉様!!そ、そんなに何かに怒りをぶつけたいのでしたら、全部、黒子にぶつけてくださいまし!!!」
美琴「だから、私、知らないって…!!」
黒子「い、いいですこと、お姉様!?今回の自販機の一件は、黒子に免じて水に流してもよろしいですの…ですが…もし、こ、今度、同じことが、あったら…あったら…!!
…ジャッジメントとして、お、お、お、お姉様をお縄にかけることになりますのよ!!!!」
美琴「………な!!……く、黒子、アンタ!!!!」
パリッパリッパリッ…!!!
美琴「く、黒子…あんた…そ、そ、それ本気でいってるのね…!!
……いいわ、だったら黒子、今度といわず、今私をお縄にかけてみなさい…!!!!
あんたにそれができればの話だけどねえ!!!!!」
バリバリバリバリバリッ!!!!!!
黒子「お、お姉様がその気なら…!!!の、望むところですわ!!!!
ワタクシだって、レベル4の能力者!!そう簡単には…!!!」
バンッ!!(ドアが開く音)
寮監「やめんかぁぁお前等!!!!!!
…寮内で能力は禁止すると何度いえばわかるんだ!
今日の朝にも注意したばかり…」
バリバリバリッ!!!!
寮監「御坂……?……おい!御坂!!…おい!!」
美琴「………」
バリバリバリバリバリッ!!!
黒子「……(お姉様……!)」
バリバリバリバリバリ!!!
寮監「や、やめろと言ってるんだ、御坂ぁぁぁ!!!!」
美琴「…はあ…はあ………」
パリッパリッ……
黒子「………」
寮監「………御坂……。
…どうやら、今、お前達を同じ部屋にしておくのは危険なようだな…。
…御坂よ…上の階に寮の個室が一室だけ開いている。今日は、そこで寝ろ。
…ただし、今日だけ特別だ。能力を使った罰も、今回は大目に見てやろう。
だが、そのかわり、少し、頭を冷すんだな」
美琴「…………はい…」
黒子「……………」
黒子「(お姉様…さっきの攻撃……本気でしたわ…)」
黒子「(お姉様…ワタクシがお姉様と本気でやりあって勝てるわけないですのに……
もし…寮監様が止めてくださらなかったら……お姉様は…ワタクシを…)」
次の日
風紀委員活動第一七七支部
黒子「お姉様じゃない?」
固法「ええ、壊れた自販機を調べた結果、明らかに能力ではなく、鈍器のようなものの強打で壊された形跡があったわ。
…それに自販機の中の金品も奪われていたみたいだし……」
初春「おそらく犯人はスキルアウトじゃないかっていう話ですよ」
黒子「そ、そんな…で、ですが、それでしたら、あの目撃者の証言は…」
固法「実は、あの後、別のところから見ていた目撃者を発見してね…
その人の話だと、自販機を壊していたのは3人の男だったって…
おそらく犯人は…」
初春「きっと最初の3人の証言者の人達ですね」
黒子「そ、そんな…ですが、な、なんで、お姉様を陥れるようなマネを…」
固法「そりゃあ、御坂さんですもの。学園都市230万人の頂点、レベル5の御坂美琴よ?
恨んだり、妬んだりしてる連中は腐るほどいるんじゃないかしら?」