*男主

「髪の長い君が好き」だなんて、嘘ばかり吐く貴男様が信じてもいない聖母の様に仰るから。自分でもそれはどういう意味なのかが分からなくなってしまう。DIO様と同じ血液が流れている癖に、全くもって別の生き物のような雰囲気をさらけ出しながらも主人に似た目で淫猥に俺の瞳を見つめて、初めてその真意に気が付く。嗚呼、俺を揶揄しているのか。何度も繰り返えされた意味を持たない行為に半ば呆れながらも、自らの主人に似た目を見るとクラクラと酒を飲んだ時の様に酷く陶酔する。眼前に佇むこの男はDIO様のようであってDIO様ではないのに。申し訳ありません。そう言えば「何を謝っている」と、年端もいかない子供に言い聞かせるように、彼は笑って言った。




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