自己愛性パーソナル 障害を持っている人間特有の言動をする彼は、自分が人格障害者だなんて考えたり、ましてや病院で言われたことなど全くもって無いだろうということが容易に分かる。そんなことを友人の仗助に言ってみるも困った顔をするばかりで何も言いはしなかった。今から別れ話でもするかのような気まずい雰囲気に嫌気がさす。畜生。クソッタレが。私が罵るように言ってみれば 苦笑をし何時ものように「付き合っていた癖に」なんて言うものだから私は何も言えなくなってしまって私はそのまま仗助を置いてそそくさと帰った

私の親は所詮放任主義というもので、私の事に関しては無関心で無責任な人間だった。唯一私に興味を示してくれたことは、初めての家族旅行にエジプトで出会った彼等の神の事について問いただした時だけであったか。聞いた内容も返ってきた返答も覚えてはいなかったが、神の名前と姿だけは鮮明に覚えており、そしてそんな親から生まれ育った私は、いつだって自分が優位に立って相手を罵ったり、誰かが私を見てくれないと酷く腹が立って「周りは私を見る目が無い」なんて思う強欲な人間に成り下がっていて、岸辺露伴でもそれは同じことであった

人間的に異常をきたした人間同士が自分達を補えるはずもなく、同族を嫌悪する様に、磁石の同じ極同士が退け合う様に、私と岸辺露伴は破局した。なるべくしてなった事象。運命とでも言うべきか。最初から私達のような人間が、まともな恋だとか愛だとかを営み、育む事などできないのだ。では何故付き合っていたのかと問われれば返答を返すのは実に簡単だ。私達は互いに本性を隠し恋に落ち、付き合って間もなく剥がれ落ちた本性に幻滅し、嫌悪した。本当に滑稽だとしかいいようがない

それからというもの私は男という生物が怖く思えて仕方がない。女子がいる場合はいい。意識していない時もいい。仗助も可愛らしい顔で女性的だからまだいい方で、でもすこし意識してしまえば恐怖と嫌悪感でいっぱいになってしまって、私は同性愛者でも何でもないのに、男を恐怖しているなんて、そんな私を神は赦してはくれないだろう

嗚呼、神よどうか私許して下さい。私は貴方にまで見捨てられたら、生きていくことが出来なくなってしまう
神の名を呼ぶ。DIO様。DIO様。そうすると煙草を吸ったり、酒を飲むこと以上に落ち着く事が出来て、私はその名前と姿しか知らない神を愛して目を瞑った。エジプトに訪れた時、神は何と言っていただろうか

 /back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -