一線

きっとそこに越えてはいけない一線が存在するのだろう。
そこを越えれば二度と元に戻れないと知っているはずなのに
何故、その一線の先に見える未知の領域に人は憧れ
何故、求めるのだろう…

君のその表情を知っているのは僕だけなのだろうか。
それとも他にも君のこの表情を知っている人が居たのだろうか
過去は嫌いだ、変えようの無い事実で防ぐ事の出来る未来とは違うから

君の穏やかな寝顔も、辛そうに歪む顔も
理性が飛び本能に忠実なその顔も
全て僕のモノだ。
そんな独占欲が縛るのは君じゃなくて自分自身だ。

その一線を越えたくて求めた。
その一線を越えるのを恐怖した。
君は命拾いしたね、と笑った。

その一線は越えてもいいはずの一線。
君と僕を今よりも深く繋ぐための最後の扉。
そこを越えたらもう、逃げられない。

逃げれば残るは死しかないのだから


この生涯を僕と共に歩んでくれるのならば
君が僕だけを愛してくれるのならば
君が僕だけを求めてくれるのならば

この生涯を君と共に歩めるのならば
僕が君だけを愛していいのならば
僕が君だけを求めていいのならば

僕は君とその一線を越えよう。
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2010/2/10

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