寂しくなった寝起き


 




【寂しくなった寝起き】





 神威の寝起きは大変です。何がって髪の毛が。
 なので起きた神威は重い瞼を持ち上げ歩いていきます。どこにって?勿論あの人に決まってるじゃないですか。


「ねぇ起きてる?」

「ん?またかよ団長。俺は団長専属の髪結いじゃねぇんだぜぇ?」

「いいじゃないか。阿伏兎が三つ編みした方が綺麗に仕上がるんだよ」

「かぁーっ言ってくれるぜ」

「もうこのやり取りも飽きたからさ、さっさとやってよ」

「なら髪くらい自分でしやがれってんだすっとこどっこい!」


 そんなやり取りが毎朝神威と阿伏兎で行われていたのはほんの数日前まで。ですが阿伏兎の左腕が無くなってからというもの、神威は神を結うのを阿伏兎に頼まなくなりました。
 その代わりに起きたら一人で懸命に神を三つ編みにする神威が目撃されたとかしないとか…。
 自立してくれるのは有難いと思う阿伏兎ですが、神威が離れていくのが少し寂しくてしかたないのも本当です。






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