夢誇様へ《リクエスト》


 鳥が夜明けを知らせるように鳴くのを聴いて目覚めると、目の前には俺と同じ裸で寝ている黒髪で整った顔の土方さんがいる。こんな間近で見る事なんて仕事中ででも滅多にないからと、思わずまじまじ見てしまっていて。
 だけど目の前の人を見ていると夜中の情事を思い出し、それが何だか恥ずかしくてもぞもぞと布団から出ようとした。





【Early morning】





 二人で寝るには小さすぎる一人用の布団から這い出そうとして、声をかけられた。反射的に声の主の方を向くとまだ眠たいのか半分程しか開いていない目で俺を見ていた。


「おはようごぜーやす。土方さん」

「あぁ…。で、お前どこ行こうとしてんだよ」

「どこって……厠に行くんで…ぅわ!!ッ!んン!」


 ぐいっと腕を引かれ布団に戻されたと思ったら口を塞がれてしまい、俺は布団に逆戻り。跨り俺を上から見下ろすようにして、笑いながら顔を撫でてくる土方さんの手を払い除けると逆に手を掴まれてしまった。
 その手の甲に触れるだけのキスをすると俺のことを真っ直ぐに見つめる。


「いっつも俺から逃げるように起きる前にいなくなりやがって」

「それは……ッ!ちょっ!」

「それは、何だよ」


 キスをした手をぺろりと舐められびくっと反応してしまう。土方さんに触られてるだけでも身体が熱くなるって言うのに……。
 指まで舐められ、終いには指を口に含まれてしまい口の中の湿った感触や舌の動きがエロくて……。


「朝から元気なんだな」

「んンッ!!」


 いつの間にか俺のモノは反応していたようで、しかも俺に跨っているひじ土方さんに丁度当たってしまってるようで……最悪だ。
 それでも土方さんは言葉の続きを促すように俺を見つめ、ねっとりと指を丹念に舐める。
 俺が感じてるってわかってるにも関わらず!


「お、俺が土方さんの部屋で、寝泊りしてるなんてバレたら後からが厄介…なんでさァ…!」


 離して下せェ!と半ばやけくそのように土方から手を引き剥がそうとしたけど、簡単に離してくれるはずも無く。口からは出してもらえたけど手は唾液でテラテラと妖艶に濡れていた。


「随分濡れたな」


 てめーが濡らしたんでしょーが!!とツッコミそうになるのをこらえ、自分の指を視界から外す。するとまた指を口に含んだのか湿り気がありざらざらしたものが指に絡み付いてきて、反射的に土方の方を向くと、耳を疑いたくなるような言葉を言われた。


「指濡らしてやったんだから後ろ、自分で解せるよな?」

「は…い?」

「な?」


 仕事中は俺が優勢なのにどうして情事の時は土方さんが優勢なんだ。と思っても答えはいっつも惚れてるから、としか出てこない。
諦めて分かりやした…、とポツリと呟くと土方さんは俺の上から退いてくれた。おずおずと起き上がり目の前に胡坐をかいた土方さんに見せ付けるかのようにM字に脚を開き唾液で濡れた指を使い解していく。


「は、ぁッ!ぅあ、あぁ…ん、ふぁ、あ」


 自然に口から漏れる声は凄い甘ったるく耳に張り付き離れなくなる。だけど抑えるなんてことはできなくて、むしろその声にさえ感じてる自分がいる。
 指の数は一本だったのが次第に二本、三本と増えていき、四本目になろうとした時、土方さんから制止の声がかかり入れていた指を引き抜いた。


「何、で…止める、……です、か…」

「俺の方ももう限界が近いんだよ」

「ッ!!」


 土方さんの下肢に目を向けると、そこには血管が浮き上がりピクピクと小刻みに震えながら先走りを流している一物があった。
 欲しい……。なんて言う思いが頭をよぎり、生唾を飲み込む。


「何だよ。これが欲しいのか?」


 面白がるように見せ付け、ゆっくりと自身を扱く動作を見ただけでもその官能さに頭がおかしくなりそうなくらい感じてしまう。ゆっくり、たっぷりと時間を使い入り口に宛がわれたモノは凄い熱くて、でも入り口は進入されるのを心待ちにしているかのように閉じたり開いたりを繰り返す。


「物欲しそうだな。早く入れて欲しいのか?」


 ニヤニヤしながら言う土方さんは、きっと俺に欲しいって言わせたいんだろうけど、そんなこと恥ずかしくってとてもじゃないけど言えるはずがない。


「欲しくないのか?」

「……だから何なんでさァ」

「じゃぁやめるか」

「なッ!?」


 思わず身を乗り出して土方さんの腕を掴んでしまった。
 くそッ欲しいってわかってんのに何で言わせる必要があるんだよ!!
 悪態をつくけど今の俺はそんなことに構っていられなかった。早く入れて奥を突いて欲しい、と身体が疼いていた。ちらりと土方さんの方を向くとばっちり目が合って、腕を掴んでいた手を取ると指を絡められ身体ごと布団に優しく押し付けられた。


「ちゃんと言えたら気持ちよくさせてやるよ」


 その言葉を耳元で囁かれ、心臓が一気に心拍数を上げ、勃ちあがり先走りをだらだらと流し俺の腹を汚していた自身がぴくりと反応する。

 早く、気持ちよくなりたい。


「い……入れて、下せェ…」

「どこに?」

「ッ……お、俺の…〜〜〜」


 恥ずかしくて次の言葉が出なくなってしまった。仕事中なら簡単に口に出してしまえる言葉でも、どうして情事の際……土方さんを前にするとこうも言葉が上手くでなくなってしまうのか…。
 はぁ、と目の前で吐き出されたため息に、俺は呆れられた…と、愕然とした。だけど……。


「お前可愛すぎ」

「ひあ!!ぁあぁあああッ!あ、ん、んぅ!」


 土方さんが言うと同時に宛がっていた自身を一気に突き入れられ、あまりの唐突さに一瞬意識が飛んだんだけど、がくがくと揺さぶられるように律動を始められ無理矢理意識を覚醒せざるを得なかった。


「や、あ、ん…ッ!!あ、ぁあッ!」


 激しい、と訴える暇も無く突かれ、前立腺ばかりを責め立てる土方にしがみ付き、必死に土方さんの動きを受け止める。
 自身はずっと触っていないにも関わらず血管を浮かばせて先走りをだらだらと流し布団までを汚していた。


「先走り、すげぇ量だな。そんなに入れられたのが気持ち良いのかよ」

「ぃいッで、さァッ!…んッ…は、ふぁあ!」


 喘ぎ声しか出ない俺の指に絡めた土方さんの指が俺をぎゅっと握り締めてきて、そろそろか、と頭の片隅で思いながら握り返す。
 それが合図だったのかはわからないけど、より一層律動が激しさを増し耐え切れず先走りでもう汚れている自分の腹の上に欲望を吐き出した。イった時、無意識のうちに土方さんを思い切り締め付けた。


「…ッ!!」

「ん、あッ!!」


 少し遅れて、土方さんが息を詰めたと同時に奥の奥まで突かれ欲望を叩き付けられた。ゆるゆると腰を動かし、最後の最後まで出し切ろうとしている土方さんを下から息を整えながら見てたらふっと笑われた。


「その顔エロすぎ」


 そう言われてチュッとキスを額に落とされた。口じゃないのか、と気を落としていると俺の心の中を読んだかのように唇を塞がれた。舌を絡め取られ吸われてしまえば力が抜け何にも考えられなくなる。だけどそんな俺でも自分の身体に起こった異変は分かるわけで……。


「ひ、土方さん?」

「お前のそんな顔見たらもう一回ヤりたくなっちまった」


 まだ突っ込まれている土方さんのモノが元気を取り戻していくのを直で感じながらもう無理でさァ!と必死に抵抗するけど指を絡められて突っ込まれているからどうしようもなくて。
 俺はただ土方さんの思うがままになるしかなかった。





―end―





―――――
あとがき
―――――
これ……ただヤってるだけですね。でも書いてて凄い楽しかったです。初めて土沖書きましたが……どうだったでしょうか?土方と沖田なら沖土しか書いたこと無かった私が土沖を書いてみたところ……凄い書きやすかったです。本当に楽しく書くことが出来ました。文章とかめちゃくちゃですが…。

これは夢誇様からリクエストがありましたので夢誇様に差し上げたいと思います!!
さて、お気に召すか分かりませんが受け取っていただけたらと思います。
あ、勿論返品可能ですから何なりと言ってきて下さい!!

夢誇様、リクエストありがとうございました!!!





09/11/19

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