きっとそれは、運命に近いものだったのかもしれない。



今日は快晴。学校はいつもと同じで普通。家に帰ると頭のとんだ私の両親。

ま、

それなりに楽しいんですよ。


なのに…。

なんで私がこんな目に遭わなくてはならないのでしょうか?





あ、れ?
 
頭、いた…い。

え。

あのトラック、なに?

うわぁ、まずい、なにこれ?

 
目の前が真っ黒に染まってく…?








ポッ



    ポツッ





サァァァァ――――――――――――






パシャ…







「葵…」









目が覚めると、そこは不思議の国でした。


そう。

決して、不思議な、ではない。不思議の、である。





あ、やだ。大変。

国語教師国原隆志
三十五歳独身禿頭健在!!



「い、いや…!
 
やめてぇ…っ!!

帽子も被らずに外に出て笑顔でサッカーボールを蹴らないでぇぇぇえぇえぇえぇ!!!」


「葵!?」

「キャ――――――!!出ました悪禿退散んんんんん!!!」



って、え!?誰!?


「あ、す、すいません!
 
見るだけで鳥肌の立つ無能禿教師と間違いましてですね!!」


「こほん…
えー、あー、その…
葵・外村じゃな?」


え?誰?


「わしはアルバス・ダンブルドア。
早速じゃが、葵。
お主には今年から、ホグワーツ魔法魔術学校に通ってもらう。」



はぁ?




あるばすだんぶるどあ。



この名前から連想できるのは、


ただ一人しかいない。




「は、い?」

いってから後悔した。

なんて間抜けな声を出してしまったんだろう。


「単刀直入に言おう。

お主は一回死んだのじゃ。」


いや単刀直入すぎ!


「え?あ、や、死ん…だ…って……?

え!?いや、今こうして私生きてるじゃないですか!?」


も、もしかして、この自称アルバス・ダンブルドアは本当は全くの偽者で、

もとからあちらの川をすでに渡った人だというのですか!?


「わしはまだ生きておるよ。(ホッホッホッ…)

葵。

お主は選ばれたんじゃよ。」


おう。読まれた。


「って、選ばれたって…?」


「こちらの世界にこれるだけの魔力が、突然目覚めたのじゃ。」


は?いや、え?

私、ソトムラ アオイ 14歳。

どっからどーみても、

普通の女の子なのですが?




あれ?


もしかして、私は、


ハリーたちに、あえるのかしら?






「魔力が目覚める、といってもじゃな…。
お主はもともと、こちらのものじゃったんじゃよ。」

「はい?」

「ホグワーツにも通っておったしのう」

「はぁ?」

「ジェームズたちとも仲がよかった。
お前さんの悪戯には手を焼かせたもんじゃ!」

「えぇ!?」

「ところがある日、お前さんは突然いなくなった。」

「ちょ、ちょっとまって…」

「わしらはさがしたんじゃよ。十何年も!
そして先日。ようやくおぬしを感じ取ったんじゃ。」

「間、まてって言ってんだろこのじじぃが――!!」

「おぉ、懐かしい反応じゃのう?」


まくしたてるように話し続けたダンブルドア。

いや、なんと言うかもう、スルーしてもいい話とスルーできない話があるだろうに!!

話の内容がヘヴィ過ぎる!


「っていうか、何で私は英語がわかるの!!?」

「お主のネックレスに魔法をかけたからのう。」

「へぇ!魔法ってそんなこともできるの?ってちっが――う!!話し変えないでよ!!」

自分で話を変えておいてそれはないと思います。



「っつ、つまり、だよ?

私はここの人間じゃなくて、

向こうの世界の人間で、

私だけこっちに来ちゃって…。

ちっさいころの記憶が無いのはそのせい!!?」

「そうなるのぅ。」

「ノン!!!」


アオイは膝から崩れおちた。



「お主、今いくつじゃ?」

「14、くらい。」

「少しちぢんだのう。おぬしがいなくなったのは17のときじゃったから…。」


アオイの記憶は、9年前…。5歳のときからない。


「時空の歪みに巻き込まれたんじゃな。
それならおぬしがいなくなったことも、体が縮んでいることも納得できる。」

「時空の歪み…って…。
それで、一気に17歳から5歳に縮むの?
嘘くせぇ〜。」

だって、一気に12歳も若返っちゃうんだよ?
しかも、本当なら30いくつくらいなのに、今14歳だよ?


「こほん…。それは置いておこう。
まずは葵。おぬしの記憶を戻さねばな。」

「あ、イーよ。もう戻ったみたいだし。」

「なぬっ!」

「あはは!ジェームズ達の顔もばっちし思い出したみたい〜?」

「…。」

そういうと、ダンブルドアは少し顔をこわばらせた。

「ジェームズのことじゃが…。」




「しってる。死んだんでしょう…?

本で読んだもの。

私、ハリーに会いたい。

ジェームズにきっと似ているわ。」


だから、



ホグワーツに、通いたいの。







そういうと、ダンブルドアはにっこり笑った。



そして、





入学許可証なるものを、私に差し出した。





しげしげとながめてから紙袋に戻し、私はそっと口にした。



「ねぇ、一回死んだって、どういうことなの?」




「あぁ、あれはのぅ。
 
今、おぬしが居るこの世界ではない…。

おぬしがもといた世界じゃな。

そこでは、おぬしは交通事故にあい死んだことになっておる。」


「え。」



し、死んだことに!!?



「まぁ、これからはおぬしはわしの孫じゃ。身内は居るよ。安心しなさい。」

「ま、孫?」

「おぬし、元々孤児じゃったからの。
おぬしを捨てていった両親は闇払いだったんじゃよ。
それでもう、この世には折らんのじゃ。
なのでわしがおぬしの保護者になってのう。」


そんな記憶、戻ってきませんでしたけど?


「何年もまえのことじゃから、仕方ないじゃろう。」


そういい、ダンブルドア…。いや、アルバスは、私をある部屋へと連れて行った。


「ここが、お主の部屋じゃ。」


入った瞬間、


涙が出た。




「………懐かしい…。」



思わずつぶやいてしまった。

記憶の中にある、ホグワーツ内の私の部屋と、同じ。



って、あれ?



「ってことは、ここは、ホグワーツの城内か!」



頭痛→事故→雨→どっかの部屋。


こういう順序で、ことは進んでいたのだな。


そして、目を覚ましたときに居た…。さっきまで居たあの部屋は、アルバスの自室…!!

そこから続く通路を歩くと、



「『空の間』!!」



いうと、天井に、空が広がった。

十何年も、私の部屋を残してくれてたなんて。


嬉しすぎて、涙が出そうだ。


「思い出したようじゃのぅ!」


アルバスは楽しそうに笑い、長い、白い髭を撫で付けている。



私は、アルバスに飛びついた。




「ただいま!!」





「…お帰り、葵」
 






そうして再会をはたした私たちだったけれど、私ってばやっぱりちょっと不都合なことをたくさん抱えてるみたいで、なんだか複雑な気分になる。

何日かここですごして、結構な難題にぶつかってきた。

あぁ、神様は意地悪だわ。

いますぐにでも、

あの子を抱き締めたいのに。


今日は新学期最初の日。
新入生や在学生は汽車に乗って、コパートメントで一緒になった子と仲良くなるんだ。
友達と待ち合わせをして、乗り合わせたりして。

「…はぁ………。」

私は元からホグワーツにいるから、汽車に乗る必要も、コパートメントを探す必要もないけどね。

「………汽車…。…乗りたかったな……。」

ちょっと…。
そう。
ほんのちょっとだけ…、

「楽しみだったのに、なぁ…。」

もしかしたら、コパートメントでハリー達と会えたかもしれなかったのに。

「ま…。ディメンター恐いし…、いっか。」

でも、それでも、納得しきれないことだって、あるんだ。




 数日前。


「…ど、いうこと…?」

「葵は、魔力が強すぎるんじゃ。だから、ハリー達にはあまり近づかないで欲しい。
ああ、近づくなといっても、ハリー達が魔力に当てられないようにじゃから、初めのうちだけでいい。
慣れれば向こうから話しかけてくるじゃろう。」

「え!?なにそれ!ふざけないで下さい!!私は早くハリー達と仲良く…!!」

「あ、暴れるでない。しばらくすれば魔力に対して耐性がでてくるじゃろう。
それまでは近づきがたいオーラが出とるように錯覚されるだけじゃ。
必ず仲良くはなれる。
だから落ち着くのじゃ!」


アルバスが涙目になりながら説得するもんだから、承諾しちゃったけどさ…。
早く仲良くなりたいのにさ…。

…。
……。
………。

「あぁもう!いいよもう!!私だってハリー達が魔力に当てられちゃったらいやだもん!我慢だ我慢!!」

言った瞬間、アルバスに呼ばれた。

「食事が始まってしまう!用意は出来とるの!よし!いこうか!」

言い終わるまでずっと笑顔でしたね、アルバス。
もしかしなくても、ずっと私のこの言葉待ってたんでしょうね、アルバス。
むかつくじぃさんだわ、この人。

心の中で悪態を付きながらローブを羽織った。


ソトムラ アオイ

現在14歳

血液型BO型

身長165cm

髪の色、黒

瞳の色、ダークグリーン



今から始まるからくりゲーム。

さぁ


踊ろうか




夕暮れの中で。




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