「おや、外村葵じゃありませんか。」
「……会いたくないやつに会ったわ。」
「何ですか、それは。まるで僕が変質者みたいな言い草ですね。」
「当たらずとも遠からずって所かしら。」
「否定してください。」
まさか、こんな小さな島国に、カプチーノが居るなんて思いもしません、日本って結構いい国かもしれませんね。
心底嫌そうな顔をする彼女とは、リング戦の時に一度会っている。
ボンゴレは知らないのだろうけれど。
あれはイタリアで、髑髏の体を借りて、家光にいろいろと話しを聞かされた後だったから、たぶん誰も知らないでしょうね。
「相変わらず美しいですね、貴女は。」
「アンタは相変わらずなんだか変態くさいわね。」
「やめてくださいよ、僕のガラスのハートが傷つくじゃありませんか。」
「よく言うねぇ、この男。
誰のハートがガラスだって?
アンタのハートがガラスならあたしはとけかけた氷ね。」
「…あなたも結構、あれですよね。」
「なによ。うっさいわよナッポー。」
朝の散歩はして見るものですね、こんなにも良い収穫があった。
そういって笑うと、彼女は不機嫌な顔で公園を去って行きました。
たぶん、また、近いうちに会うのだろうとわかりますよ。
(にしても、あの男は、あたしより年下のくせに、…なんかむかつくわ。)
「あっいたいた、骸さまー!」
「おや、犬、千種。」
「探したびょん、骸さま!」
「朝ご飯…、できました。」
「おや、ありがとうございます。さて、帰りましょうか、冷めてしまいますからね。」
(…柿ピー、なんで骸さま、あんなに機嫌イイん?)
(……さぁ、ね。なにか、良い事でもあったんじゃないの。)
たぶん、さっきすれ違ったカプチーノのせいだという事は、犬にはいわないでおこうと思う。
FIN
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