いつもと同じ、学校の帰り道。
必ず通る商店街には、仲良さそうに手を繋いで微笑み合う、幸せそうなカップル達。
着ている制服は同じはずなのに、彼女達のそれはきらきら、きらきら、とてもまぶしい。

いつもと同じ、学校の帰り道。
いつもと同じように、羨望の眼差しを向ける。





「ツナ、今日一緒にかえろ。」


一応は恋人という関係であるはずの沢田綱吉は、どうしてだか私との接触を避けているような気がする。
一緒に帰ろうと誘えば有耶無耶に流されて、お昼を食べようと誘えば、誘った覚えのない獄寺君や山本君までいる。
それだけじゃなくて他にもあんなことやこんなことや。
私ばっかり好きみたいでかっこ悪いじゃないか。って、そう思うのに、やっぱりできるだけ一緒に居たいと思ってしまうから。
私って実は尽くすタイプなのかもしれない。


「うん、いいよ。」


いつもみたいに曖昧に笑って流されると思ってたのに、予想に反して今日は即答。
こっちが呆気にとられてぽかんとしてしまう。


「じゃあ、放課後ね。」


タイミングよく教室に入ってきた教師を一瞥して、ツナの席を離れて自分の席に着く。
その後の授業のことなんかまるで頭に入ってこなくて、ただ他の子達みたいに制服でデートできることが嬉しくて嬉しくて。
顔の筋肉が緩むのも構わずに、授業を受けたら先生に変な目で見られた。



「ツナ、かーえろ!!」


チャイムが鳴ったのとほぼ同時にツナの席までダッシュすればちょっとだけ頬を赤くして小さく頷いた。
それだけでぎゅうって胸が締め付けられて。どきどきするの。

荷物を持ってツナと並んで、校門を出る。
ああなんだか、やっと恋人ってかんじ!!


「ねぇ、ツナ、あれ、食べよう!」


甘くていい匂いのするクレープ。
ずっと前からツナと食べようと思って今日まで食べないでいたんだから。


「え、ええええ!!俺はいいよ。」


眉尻を下げて困ったように笑うツナに小さな恨み言を吐いて生クリームのたっぷり入ったクレープを注文する。
いつもつまらない商店街が今日はとても楽しくて、それもこれも全部隣にツナがいるお陰だ。


「ねぇ、ツナ、次、は・・・!?」


ケーキ食べようって、そう言おうと思ったのに。
口を塞がれて、お店とお店の間の狭い空間に引きずりこまれた。
一体誰が、なんて、そんなこと考えなくてもわかるけど。


「ッ、ナ…!!」


思いのほか節くれだった手をなんとか引き剥がして、商店街を行きかう人達に気付かれないように声を荒げる。


「ねえ、君は何もわかってないよ。」


いつもと違う、ワントーン低い声で、お互いの吐息がかかるような距離でぽつりと呟いた。
声だけじゃない、その瞳さえ、私の知らないもので。
どくん、心臓が大きく脈打った。


「、な、にを、」


「俺が、いつもどれだけ我慢してるかなんて、知らないでしょ。」


クスクスと静かに笑って、悪戯に首筋をぺろりと舐めた。
そのなんとも言えない感触に背筋がぞくぞくと粟立つ。


「そんな短いスカートで、周りの男がどんな目で見てるか、わかってる?」


今度は、少しだけ怒気を孕んだ声で。
鋭利な刃物みたいな瞳はまるで、捕食者。


「そんな、の、」


わからないよ。
不意に触れた唇に頭の中は真っ白で、思考回路はオーバーヒート。
ツナがいつものツナじゃないとか、そんなこと今は考えられなくて。
酸欠寸前で漸く放されたときは立ってるのも辛くて、壁伝いにずるずると座りこんだ。


「わからないなら、俺が教えてあげる。」


耳元で聞こえた声にそんなの詐欺だと心の中で呟いた。







(・・・もしかしてもしかしなくてもそれが素ですか)(ほんとはもうちょっと隠しとくつもりだったんだけど、ね)(・・・へー)




あとがき
移転完了祝いに葵様に勝手にプレゼント!!葵様に限りフリーです。煮るなり焼くなりお好きなように!!返品も可であります。
こんなヘタレツナで申し訳ないです。

補足をさせてもらうならば常にスカート捲れそうな状況にツナが痺れを切らしたみたいなそんな感じです。わかりにくくて申し訳ないです。

ここまで読んで下さった方ありがとうございますらぶ!!





煉さま!!
ありがとうございます…!!
涙が出そうです、綱吉君がすてきすぎる…っ悶
ありがとうございます、ほんとうに、すてきな夢をみさせていただきましたぁぁ!!!
煉さまのサイトはCHU☆の一番初めからドアをノックすることができます!
ご訪問の際は失礼のないよう、限りない愛を胸に!

ありがとうございました!!
これからもよろしくお願いいたしますね、煉さま!!
らぶ☆


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