「雲雀くん、お茶入りましたよ。」

「うん。」

「雲雀くん、書類置いておきますよ。」

「うん。」

「雲雀くん、日本に連絡いれておきますよ。」

「うん。」

「雲雀くん、」

「…。」

「恭弥くん、」

「!!」

「…恭弥くん。」

「…なに。」

「うふふ、お茶、冷めちゃいますよ。」

「…ありがと。」

「いいえ、雲雀くん。」

「…名前でいいのに。」

「あら!いいんですか?」

「君、僕より年上だしね。」

「ふふ。ありがとうございます、恭弥くん。」

「…うん。」

「呼ばせてくれるまでに随分かかりましたね。」

「…群れるのは、嫌いだからね。」

「心をひらいてもらえたってことかしら。嬉しいですよ。」

「…余計なこと、言わないでよ」

「うふふ。…それにしても」

「…なに?」

「いい名前ですよねぇ、恭弥くん。字体も美しいわ。」

「…君、風情のあるものが好きだっけ?」

「ええ、好きですよ。雲雀恭弥だなんて、とってもすてきですよね。」

「…そこまで言われたことはない。」

「あら!皆さん目がよくないのね。それとも恭弥くんそのものに目がいってしまって、改めて名前を見直す機会がないだけかしら?」

「何が言いたいの。」

「名前も美しければ、容貌も雰囲気も美しいってことですよ。」

「…ナニソレ。」

「うふふ。」






100614

年下上司と年上部下






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