▽ 気がつけばもう
大切なものはいつだって気がついた時は、すり抜けた後だった。
抱え込んでいる時には気がつかない。
気がついた時は、もう遅かった。
そんな経験は、すでにあの頃にしているのに…
雪の中、饅頭を食わせて貰ったババアを守るなんて、勝手に約束して、そうして1人過ごしていくんだろうなんて思っていた。
大切なものを作って悲しむんだったら、最初から作らなければいいって思っていた。
なのに、アイツらと出会い、アイツらがいない日なんて考えられなくなっちまった。
だからこそ、今度こそはアイツらを失いたくねェんだ。
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