VCE0403




「八尾さん、どうしてあの娘に会うのですか」
「求道師様」
「私は、関わって欲しくないのです・・・考え直しませんか、今なら間に合います」
「・・・求道女としての義務であるし、私はあの子が好きなのです。求道師様もあの子に会ったらわかるわ」
「それでも、私は・・・会いたくないんです」
「神の元には誰もが平等、ですよ」
「血を違えたあの子が、そうとは思えないんです。だから、こう思っている限りは、私は、会えない」
「それでも・・・あの子は神さまに、求道師に会いたがっているの。これからも、ずっと」

「失格です、求道師として・・・昔から、自分に全う出来る仕事だなんて思いもしなかった。」
「次に託すのですか?」
「儀式は私が成功させます・・・神代のおしるしは、既に来たのでしょう」
「ええ」
「美しいお方だった。神の生贄には勿体無いくらい・・・」
「それ以上はやめてください、求道師様」
「・・・」


「あの娘が代わりに死ねばいいのに」






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