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『似合ってるよ』
「この服着て良かったの?」
『真白が用意していたなら問題ないよ。制服は綺麗にして私の部屋に置いてあるから』
「分かった」
『他の家族呼びに行くから、先にリビングへ行ってくれる?この廊下の先だから』
「うん」
廊下の奥へと消えて行った斬奈を見送って瀬楽は、言われた方向へと足を進めた。突き当りの奥にある扉を開けるとリビングへ着いた。リビングのテーブルには8人分の食事が用意されていた。スプーンを用意する、真白ちゃんにそっくりな男の子と目が合った。男の子は後ろを振り返って真白ちゃんを呼ぶ。呼ばれた真白ちゃんがやって来て手招きされた。招かれた居間では大量の湿布が用意されていて、その場に座る様に言われる
「治療致しますね」
「ありがとう」
沈黙が2人の間に広がっていた。黙々と治療を続ける、何を話せばいいのか…と悩んで居れば真白の方から声を掛けて来た
「斬奈お姉様はとてもお強い方です。心も体も」
「うん、知ってる。私はそれを見て惚れた」
「お辛い時。その強さが邪魔をして、私達に弱音を吐く事をしてくれません。全てを1人で抱えて苦しんでいます」
「…」
「傍に居るだけ斬奈お姉様は救われます」
「…うん。あたしはもう斬奈の傍を離れたりはしないよ」
「ありがとうございます」
『真白〜?治療終えた??皆揃ったからご飯にするよ』
「はい、分かりました。斬奈お姉様」
真白との会話の区切りがついた時。居間の襖が開き斬奈が顔を覗かせる。会話の終わりは治療の終わりで、湿布でひんやりする体を一度撫でて瀬楽は立ち上がり真白の後を付いて居間から出て行った。食卓には既に斬奈の両親、祖父と祖母。真黒が座っていた。斬奈に手招きされて瀬楽は斬奈の隣へ腰を下ろす。全員が席に着いた所で全員声を揃えて“いただきます”と、ぴったり合った声に驚きながら瀬楽は小さな声でいただきます と呟いた。真正面に座る祖父はジッ と瀬楽の顔を見て居る為ちょっと食べ辛かったりする。それに気付いた祖母が祖父の脇腹に一撃入れる。お爺ちゃんの悲鳴が食卓に木霊する、これが美少女なら良かったのに
「ちょっと、お父さん。食事中ですよ」
「栞、俺のせいじゃないぞ。婆さんが俺の脇腹を肘鉄して来たのが悪い」
「嫌ですね、私のせいにするなんて…。まずお爺さん、瀬楽さんを監視する様に見続けるのはいけません。失礼です」
「珍しいじゃねーか!斬奈が“友達”連れて来るなんて」
『人をガン見するのはお爺様の悪い癖でしょ』
「恥ずかしいです」
「食事が終わってからお話したらどうですか?お父さん」
「えー、皆俺が悪いって事なの?」
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