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今週は私が日誌の当番なので記入する為に1人放課後の教室に残って行っている。木野?木内?確かそんな名前のもう1人担当が居たハズだが、勝手に帰りやがった。これもキチンと日誌に書いて提出してあげよう。まぁ!何て私って偉いのでしょう!とか思って見る…客観的に見て馬鹿らしいと思い、とりあえず早くやって終おうと取り掛かると机の上に置いていたスマフォがチカチカと光り出す。誰からの着信かと思えば遠くに住むはとこからの電話だった

『何か用?凛』

「“何か用”って用が無いと電話、掛けたらいけないのか?斬奈酷い」

『ごめんごめん。昨日の今日だったから、沖縄合宿が無くなった事の抗議かと思ったんだよ。それじゃなくてただ単に電話したの?』

「それもあるけど…ただ声が聴きたかっただけもある」

『そうかー。練習試合で負けたのかー、相手誰?永四郎?』

「な、何で分かるのさ!斬奈エスパーか?!」

『ははは、凛は昔から負け試合の時必ず電話して来たからねぇ、しかも毎回言い訳が“ただ声が聴きたかった”だったら誰だって分かるさ』

ケラケラと笑えば凛の背後から多様な笑い声が聞こえて来た。どうやら部室で電話をしていた様だ。そうこうしている間に日誌を書き終えたので一旦電話を、切るのも忍びないのでイヤホンマイクにして職員室に日誌を返して家に帰ろう。用意している最中も比嘉中テニス部は凛を冷やかして笑う声が聞こえて来ている。楽しそうで何よりだ。聞いているだけでこっちも笑顔が零れてしまう。しかし、ここはまだ学校なので油断大敵だ、と思って居る間にやって来ました痛子さん

『何か用?“2年F組の磯崎美咲”さん?』

「今日のアレ何?」

『“アレ”って何?』

「とぼけないで!今日のお昼!幸村くんを使って私達にした嫌がらせ!」

『使う?違うよ、彼が勝手にやった事だよ。私は一切頼んでいない。E組の人に聞いてみたら?私が4限目途中で居なくなったってね。それからあの場面まで私は幸村くんに会ってはいない。よって私は彼を使っていない』

「嘘よ!そうじゃなきゃ…」

『“オカシイ”って言うの?なーんもオカシクない。寧ろ正常に戻ったと言っていいでしょ。この世界は夢小説の中ではない。様々な人が自分の考えと意思を持って生きている世界だよ、“向こう”と何も変わらない』

「!?…っ、やっぱり槇火紫。アンタは…」

『とりあえず私は貴女達の“敵”って思っておけば良いわよ。“1年C組相川天響(てぃな)”“2年G組佐々木姫華(ひめか)”さん。貴女達が思い描いている様な世界にはさせてあげないから』

それじゃあね と伝えて職員室へと向かう為渡り廊下を歩いて行く。職員室で日誌を担任へ手渡して下駄箱へと向かう、耳に着けているイヤホンから全く音も何も聞こえなくなったので通話が切れたのかと思いスマフォを見るが画面は通話中の文字がある。どういう事だ? と首を傾げて居れば凛の声が聞こえて来た

「斬奈ー」

『何?』

「本土には変な女がいっぱい居るんだなー」

『居るだろうね、表舞台に立てているのと立てないのがいるけど』

「そっかー」

「大変ですね、斬奈さんも」

『そう、大変なんだよ。永四郎…、…やっぱり何とか時間作って冬か春に沖縄行こうかなー。永四郎の顔見たくなったし』

「斬奈、俺は?俺は?!」

『凛はいいよー、毎日スカイプで顔見てるしー』

「それなら永四郎だって、定期的にスカイプで会ってるじゃん」

「“定期的”にと“毎日”は違いますよ、平古場くん」

そんな会話は顧問の早乙女晴美先生が来るまで行われていたと言う。電話先の斬奈ももちろん早乙女顧問にぼろくそに怒られていた

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