お前に愛などやるものか

痛子side

美桜の日常は弟の入学と同時に徐々に崩壊していった。一番は、美桜は何にも勉強しないでもスラスラと先生が言っている意味が分かったし、問題の答えや公式がスッと頭の中に浮かんでそれをただ書き写していれば良かっただけ、オール5とまではいかなくても4や5以外取った事が無かった。なのに弟が入学してから美桜は先生が授業で言っている意味が急に理解が出来なくなった

「(な、何が起こっているの…?)」

急に押し寄せて来るのは不安でどうしようもなく恐ろしくなった。その日私は1限目の授業を終えた時点で帰った。それが行けなかったんだ。途中で帰る何て事を美桜はしてしまった、次の日美桜が学校に行けばクラスの雰囲気が少し変わっていた。美桜が教室に入って来る前から美桜の取り巻きがやって来るのに今日は美桜の席に着いてからやって来た

「おはよー美桜ちゃん」

「おはよう」

「ねぇねぇ!美桜ちゃん」

「何?」

「美桜ちゃんの弟くん紹介してくれない?」

「!?…な、何で?」

「だって、美桜ちゃんの弟くんが“ボンゴレ”を継ぐんでしょ?だからだよ」

そう言った取り巻きの女の醜い笑顔を見て美桜は思いっきり叩いた。パン!と打音がクラス中に広がり美桜は思いっきり叫んだ

「あんな弟がボンゴレを継ぐ訳がないでしょ!?ボンゴレはこの美桜様が継ぐの!!!誰があんなヤツ紹介何てするもんですか!!!!」

そう言い終えた瞬間周りからクスクスヒソヒソ。美桜が叩いた女はその女の友達に付き添われて保健室に向かったと後から呼び出した先生から聞かされた。女の父親と母親が学校に来て綱吉と雌猫が学校側に呼び出された。綱吉に駆け寄ればパンと今度は美桜の頬に派手な打音が聞こえて美桜は地面に倒れた。顔を上げれば、凄く冷たい表情の綱吉がそこに居た。その瞳は美桜を穢い者として見る表情だった。一瞬の内で美桜は綱吉が怖いと思った。それに、こんな風になるなんて思ってなかった。綱吉を見て恐怖している所を第三者に見られている何てその時の美桜は知らなかった

***

「なぁなぁ、オレ見たんだけどさ…」

「「何を?」」

「“沢田美桜”の姿を」

呼び出されて教室へ戻る途中の曲がり角で男の子達が美桜の話をしているのが聞こえて来た。美桜を褒め称えているのだと思い美桜は、聞き耳を立てた

「へ〜、でどうだった?」

「それがさぁ、顔ヤバくてね」

「ヤバい?」

「超醜いの!!オレあれが“可愛い”とかほざく奴等頭いかれてるって思うんだよね〜」

「あぁ、それ俺も思うわ。それにアイツのご両親とアイツの髪の毛全く違うじゃん、弟くんは父親と一緒だから家族って分かるけど、アイツそこら辺から拾って来たんじゃねーの?」

「あぁ、それ俺も思ったわ」

ギュッと美桜はお気に入りのワンピースを握り締めてその場を離れた。弟が学校に入学して来てから美桜の周りはどんどん居心地が悪くなって来た。これじゃあ何の為に向こうからこちらにやって来たのかさえも分からないじゃない!!美桜が幸せになる為にここへやって来たのにこれじゃあ向こうに居た頃となんら変わらない…そうだ!だったら弟を使って美桜の立場を回復させる為の足掛かりにすればいいのよ!!名案だわ!けれど、そんな美桜の名案をあの弟は哂いながらあっけなく崩して行った。それが引き金で美桜は小さな虐めをクラス中いや学年中から受ける様になった。どうして!美桜の世界はこんなにも変わってしまったの?!




われない人間

美桜だけの世界なのに!!

(浸食されるちっぽけな箱庭)


Text:反転コンタクト




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -