僕を罵る声

望side

「望!これ、どう言う事!?」

今年、姉と同じ小学校へと進学した。今姉の美桜が僕に怒鳴っている事はもちろん学校の成績表の事。付属幼稚園の頃から僕は他の子供と違って小さい頃から引き籠っている子供だった訳だが、ただ引き籠っているだけじゃない。将来医者になる為に子供の頃から勉強をしていた。大人が読むのも一苦労する様な分厚い医学書が僕の一番のお気に入りの本だった.絵本よりも、小説よりも、漫画よりも僕はこの医学書が大好きだった。それが今のこれと何が関係するのかと言うと全てオール5。5段階評価でのだ。学校が始まって以来誰も出した事のないオール5評価。あれこれ色々と設定してある姉でさえも出した事のなかったモノ。オアシア様から聞いた話では姉の能力はイケメンとキャラにしか効かないそうだ(と聞いたが今の所、会ったキャラは姉の能力の効果が発揮されてないと思うのは僕の気のせいか?)

「ちょっと、アンタ聞いてるの?!」

『聞いてるよ、姉さん。それが何?』

「アンタ。絶対裏でコネ回したんでしょ!!そうじゃないとオール5何てありえない!!!」

『姉さんって、ホント莫迦だよね。6歳児の僕がそんな事出来る訳無いでしょ?』

「だ、だったらずるしたのよ!!!」

『どんな?』

「先生に媚を売ったとか…」

『人の本質を見抜く事の出来る先生達だよ?媚何て売ったら簡単にバレるでしょ。それに一番その事を良く知ってるのは姉さんでしょ?』

「!!」

ヒステリックに叫ぶ姉・美桜は僕の前代未聞の成績が気に食わないそうだ。無い頭で必死に絞り出した言葉を僕は全て潰して行く。そして最後に姉さんが犯した莫迦な事を口にすれば姉さんは僕の成績表を床に叩きつけて僕の部屋から走り去った。あーあ、ホント低レベルでやんなっちゃうよ。莫迦の相手するのって…。僕と姉が通っている学校はマフィアや大企業のご令嬢やご子息が行くイタリアでも有名な学校。もちろん授業は全部イタリア語で行う。姉妹校は正十字騎士團が所有する正十字学園だ。僕はそこに行きたかった。だから必死になって勉強に励んでいる。将来的に祓魔師の称号も手に入れたいからだ。夢である医者にもなって、祓魔師にもなって、ボンゴレのボスも行う。全てが無理でも僕は復讐の為に何だってやってのける。やればやるほど姉は醜い表情になる事が堪らなく嬉しい事だと僕は最近気付いた。僕は生まれた時から言われ続けて来たが、言葉をうまく喋れる様になった頃より一層その言葉は言われる様になった。「精神年齢がもう成人並だ」気味が悪いとも言われた事もあったが、鶴の一声でそれはぴたりと無くなった


「望くんは前世の記憶を持って生まれたから、大人びているのよ」


オアシア様がそう言った瞬間から大人達は納得して、気持ち悪いと陰口を叩かなくなった。それよりも、理解力がある僕にたくさんの難しい話や勉強なども教えてくれた。3歳児で既に世界各国の父や母の知り合いの人達とは友人と呼べる様な関係となっていた。祓魔師の称号が欲しいのはただ単に、純粋に、自分の身を守りたかったからだ。対AKUMA班の方でもいいけど、けれどもあれは本当に極少量の人達以外選ばれないと聞いた。だからまだ幅広い祓魔師の称号を取りたいと思っている。ナチュラルに“AKUMA”と言っているが、最初は本当に驚いた。オアシア様が言うにはあの姉が最近の自身の周りが思わしくない状態だった為、3つの願いを使って言って来たそうだ。しかも上から目線でと付け加えたオアシア様は大層お怒りの様子だ、願いが叶った事を良い事に姉は父の仕事に無理を言ってヴァチカンにある正十字騎士團本部に行き、父に恥を欠かせて帰って来た。どんなに姉が謝りを入れても父は全く聞く耳を持ち合わせて居なかった。寧ろ、日頃姉に対する態度がさらに悪化した。いい気味だと僕は納屋に1日押し込められてメソメソ泣いて、獄寺隼人に慰められている姉を見て笑ってやった。獄寺隼人はこのボンゴレ内で唯一姉に愛想を向ける男性だ。それを知っている姉は最近他の守護者に甘えられないのを獄寺隼人で消費している様にべたべたと彼に引っ付いて回る事で、更に父の反感を買っている何てあの頭の悪い御嬢さんには分からない事だ。姉の学校での立場は僕のお陰でガタガタに崩れ落ちて来ている、いや、正常に戻って来たと言っても過言ではない。何故ならば僕等姉弟は全く似て居なかった。容姿、雰囲気、風貌など違う場所は探せばいくらでも出て来るだろう。まぁ、それだけでははっきり違うとは言い難い。似てない姉弟などはこの世界に五万と居るからだ。しかし。親を見ればはっきりする。ってか、姉の髪の毛の色自体が全てを物語っている。桜色って何だ。桜色って、家族の誰もそんな要素が全くない為、僕が来るまで何も感じなかった学校の姉の同級生達は“僕”が登場した事で直ぐに姉が異常だと瞬時に理解していた。何故なら僕はどちらかと言えば父親似だからだ。顔のパーツは母親だが、髪色、髪質、瞳の色は父親を模写した様だと奈々お祖母ちゃんが言っていた。鏡で見た僕もそう思ったぐらいだから、父の若い頃を知っている人達は同じ様な事を口にしていた。それだけ僕は父さん似ているのだ。姉は誰似?と思うほど僕等とは掛け離れた位置に居た。本人が望んだ事なので僕は何も言わない。言った所でだ。変わる事はない。だから僕は言わない

「ちょっと!望!!!」

あぁ、またヒステリックに叫ぶ痛子が僕を呼ぶ。さて、莫迦の1つ覚えをこれから聞いてあげようか




僕をる声

所詮莫迦の一つ覚えだ

(僕は寛大だからね今は許してあげるよ)


Text:酷白





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