死んだ後と生まれる前の瞬間

望side
私はプカプカと漂っていると頭に強い衝撃を浴びて飛び起きた(あれ?死んだのに私ってば頭あるの??)そんな事を考えながら私は、目の前に立つ金髪でサングラスを掛けたハリセンを片手に持ち私をじっと見つめる女性と目が合った

『…』

「“宝塚望(たからづか のぞみ)”だね?」

『は、はい!!』

「ここは神の領域で、死んだ者が集められて転生をさせるべきかどうかを決める場所だ」

「意味分かるか?」と聞かれた私は色々と驚き過ぎて喋る事で表現出来ずにコクンと頷く事しか出来なかった。それで良かった様で話は勝手に進んで行く。私が死んだのは偶然なる必然で私の世界の神様があみだクジで選んで決めたそうだ(何て身勝手な決め方ってか、そんな願い聞き入れるなよ)そんな事を思っていても私が死んだ事が変わる訳ではないので、もう気にしない様にする。だけど、何故、目の前の神様…ってか女性だから女神様?は私を憐れんだ?(サングラスで分からないが)表情で見ているのだろうか、もしかして世界に戻して「それは出来ない、輪廻転生の理に反する事だし」…戻してはくれないそうだし、しかも、プライバシーの欠片もないのか…

「一様確認させる為に言うけど、アンタ死んだのよ?」

『えぇ、まぁ…分かってはいるんですがね。こんなにペラペラと喋って居られたら何か実感が湧かなくて…』

「それなら!これを見るべきだよ!」

ドーン!と言う表現がしっくり来る様な動きで壁を叩いた(一面真っ白な空間の為、壁があるのか事態謎)叩かれ出て来たのは大きな液晶画面、画面には電車が写っていた。…あぁ、これは駅のホーム。しかも、私が亡くなった場所だ。ブルーシートで囲ってある場所にたくさんの警察関係者がいる。相/棒に出て来る様な人達が居る。彼らは折り重なっている2つの物体…てか、アレ。私とあの少女?折り重なってぐちゃぐちゃに混ざり合ってどちらがどちらの体の一部かも分からない状態って………グロイ、グロ過ぎるよ、女神様!!

「あは☆やっぱり、一般人には気持ち悪かったか…自分の死体でも」

平気そうにゲラゲラと笑っている女神様を横目で見ながら私は吐く真似をしていた。死んだと実感が湧かないが、やはり体は分かっている様で体温も何も感じないし皮膚に触れた感じも何も感じない。吐きたいのに口の中からは何も出て来ないし胃の中も空っぽ。あぁ、本当に私は死んだんだ。感傷にさらされていたらサラリと女神様は爆弾を投下した

「あぁ、望ちゃんは望ちゃんを殺した少女の弟として転生する事になったから」

『え?』

本当に気の抜けた返事を返した。だって、何で殺した相手の弟として生まれなきゃあかんのか!!!訳を聞けば、「貴女に復讐のチャンスを与えてあげようと思って☆」最後の方に“☆”が見えたのはきっと気のせいだと思いたいが、きっと気のせいじゃない!!(女の勘)少し前に会ったばかりの女神様だが、何となくこの女神様が復讐したいだけだと私の勘は告げている

『殺されたのはちょっと“何で?”って思いますけど、死んだ人間が何をした所で何も変わらないので転生とかいいので私は元の世界で生き返らせて下さい』

「無理」

『え?』

「無理なのよ、」

『何で…』

「望ちゃんが異世界トリップ転生の“生贄”だから」

絶句した。無理と言う女神様の話と生贄はきっとこう言う事だろう。異世界トリップ転生の生贄は一緒に異世界にトリップする形で魂がここに存在する訳で、元の世界にはすでにいない事になっている状態なのだろ。繋がりが完全に切れていると推測出来る「その通りだよ」ありがとうございます。頭で考えていてもしょうがない。巻き込まれたのだから…これは本当に女神様の言った通り転生しなければならないのか、いや、待てよ…

『それなら…「却下させて頂きます」まだ何も言ってないのに!?』

「平凡な人に生まれさせてとかでしょ?」

『う゛』

「私もこの腐れビッチ少女に巻き込まれたんだから」

『すごい言われよう』

「ビッチは“混合夢小説”をご希望なのよ…ってか、“夢小説”って意味分かる??」

『大丈夫です、私も夢小説は読みますので…』

女神様曰く、少女は王子様達に囲まれたお姫様状態を体験したいそうだ。しかも、世界中のイケメンを従えるほどの美貌の持ち主で全ての権力、全ての金、全ての地位が持てるほどの地位と名誉が欲しいとかもほざいていたそうだ。さらに女神様の態度がえらくイライラしているのはどうも少女が先にやって来た事に関係している様で女神様は少女の要望のお蔭で私にイライラをぶつけてしまった様だ。ノンブレスで要望を言い終わった少女の事を本当にぶっ飛んだ中二病患者が来てしまったと嘆いている女神様は突如私に話題を振る

「夢小説で何読んでた?」

『唐突ですね』

「一時でもお姫様気分を味合わせてあげるんですもの、最上級の喜びを見させてあげないと、甘美な絶望にはならないでしょ?」

『本当に女神様?悪魔に見える…』

「あぁ、ちなみに舞台は“青エク”でくっ付いているのが“復活”望ちゃんはボンゴレ10代目沢田綱吉の息子だからね」

『ホント色々と唐突過ぎる!!』

「で?何が好き??」

すごく唐突って言うか爆弾発言が多すぎる。驚いたら止まらないぐらいに何か唐突過ぎて笑えないかも…いちいちリアクションしていたらきっと疲れるの間違いなし!とりあえず、好きなモノを取り上げて行けば、女神様はピックアップしてくれた、そして眉間に皺よ寄せながら選んでいる様だ、しかしその選び方は独特で、怖さを感じてしまう様な表情で画面と向き合っていた。きっと神様達の間は色々と大変なんだろうと思っていれば、選び終わった様で女神様はにっこりと笑顔で言った

「2度目の人生楽しんできてね☆」

『え?』

「あぁ、それと、朗報を伝えるね。その世界は――――」




死んだ後生まれる前の瞬間

最後に言った女神様の言葉は…

(私は2度目の人生を楽しめそうだと思った)


Text:反転コンタクト




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -