短編 | ナノ
私は小さい頃から夢があった…

『お祖母ちゃん!私ね、絶対にお母さん達見たいな手騎士になる!!』

「おぉ…そうかい。なら確り勉強して誰にも恥じぬ様な立派な祓魔師になっておくれ。ナマエ」

『うん!頑張るよ。お祖母ちゃん!!』

***

ピピピと目覚まし時計の音が鳴り、ナマエは目を覚ました。外からは昨日とはうって変わって暖かな光が溢れかえって居た。正十字学園に入ったのが今年の3月、京都の祖母と離れてもう2ヶ月になる。祓魔師として塾で教員になったナマエには一般人とは体質からして違う為、学園と古い繋がりのある祖母の提案によって、今。一人暮らしを行っている。正式には3人暮らしだが…

『懐かしい夢を見たんだ』

「うん。そう。それはいいけど、早くご飯食べてくれない?台所を片付けて掃除を全部済ませたいんだけど…」

『いいじゃーん!!私は昨日の夜任務に行ってろくに寝てないんだし!』

「その任務には私だって一緒に着いて行きましたけど?何か??」

『いえ、何でもないです…』

≪てーか、時間いいの??≫

『え?』

=8:00=

『ぎょわぁぁぁぁぁ!?!?』

叫びながらナマエは急いで支度を行いバタバタと外へ走り出して行った。教員をやっているナマエは本日、塾の生徒に自分の任務を見せると言う名目で課外授業を行う事になっていたのに、先生自体が遅刻しそうになっていた。そんな様子を猫又となっている魔神オセは軽く溜息を吐き、横目で同じ使い魔の魔神オリアスを見つめた

≪何時集合だったけ??≫

「8時半」

≪間に合うの?≫

「無理でしょ」

≪助けないんだ≫

「人間の言葉で“自業自得”ってあるでしょ?私あれが特に好きなのよね」

≪“自業自得”か、それもそうだね≫

***

久しぶりに暖かな夢を見た。あの時私は何も知らないまだ弱くて幼い女の子のままだった頃の“夢”今もまだその夢は私の背中を押してくれている。でももう…

『ちょっと変わっちゃった、ね?』

屋根伝いに街中を滑走して学園の方へと向かって走り出す。学園の門前に集合!と言っていて補佐として奥村先生が着いて来てくれるが、彼にも私の任務については言っていない為、私が先に着かないと意味がない

『ここを降りれば、近道!!』

ガサ!!

『あ』

「あ゛?」

ドシャアァァァ…

「燐?!」

「兄さん?!」

『ほわわ!!ご、ごめんね!!燐ちゃん!!』

「おい!ナマエ、大丈夫か?!」

ガサガサと出た獣道となっている茂みの中を抜けると目の前に男の子の姿があった。出していたスピードを緩めずにいた為、案の定目の前の男の子と激突した。前を歩いていた奥村雪男と杜山しえみは後ろで起きた音に気付き後ろを振り返り驚いた。何が起こったのか分からないが、木の葉の着いたナマエが双子の兄・奥村燐を押し倒し、上に乗っている図が目の前には広がっていた。ナマエの声を聞きつけ、幼馴染の京都組のメンツもその場に現れて固まった

「いてて…」

『だ、大丈夫?燐ちゃん。ごめんね、私のせいで』

「いや、俺は大丈夫だよ。それよりナマエは何処か怪我してないか??」

『!!うん、大丈夫だよ。何処も怪我してないよ』

「なら、行こうぜ」

『そうだね!』

頭を打って倒れた燐は自分の上に乗って申し訳なさそうにしているナマエに声を掛けながら体を起こすと自分に着いた埃を払い落し、ナマエを心配する。その優しさに触れながらフワフワしているナマエは微かにこの幸せを壊す声に対して苛立ちを募らせていた

「おい!ナマエ、お前聞こえとるやろう!返事ぐらいしろや!!」

「坊、あんまり言うと…」

ジロ…!!

「い゛!?」

「ほらぁ、言っとるそばから…」

『……』

「う゛…」

勝呂竜士は幼馴染のナマエを呼ぶ。だが全く振り返りもしない幼馴染に対して怒りを覚え、彼女の元に行こうとした矢先、ゆっくり顔を竜士に向けたナマエの瞳はかなり狂気に満ちていた。ちなみに、彼女は小さく“今話しかけたら一生口聞かない!!”と小声(竜士達にのみ聞こえる様に)で呟いていた。おかしな様子だった為、隣に居た燐は後ろを振り返ると竜士達が居るのに気付き止まった

「お、勝呂達じゃん。お前らも居たのか?」

「よ、よう…。(こんぐらいはいいよな?)」

『…』

「(む、無言が怖い!!)」

「あはは…」

「目的地は一緒だし、一緒行こうぜ!!」

「!!いいのか?」

「?当たり前じゃねーか、な!」

『うん、大丈夫だよ!(命拾いしたね?竜ちゃん〜??)』

「そうか、なら行こうぜ!!」

幼馴染な為、ナマエの副音声(心の声)を聞く事の出来る竜士は冷や汗をかきながら、太陽の様な能天気な笑顔の燐を見てどっと疲れが出て来た。彼女の裏の顔を知らないのは燐だけである。小さく舌打ちしながらも隣に燐が居る喜びを噛み締めながら心に出来たもう1つの夢を思いながら笑った


『しーちゃん聞いて!私ね将来 のお嫁さんになる!!』

「おー!!!そうか、それは俺も嬉しいぞ!!絶対叶えろよ!!」

『うん!!だから私、絶対に最強の祓魔師になるよ!しーちゃんみたいに!!』

「そうか、そうか…頑張れよ!ナマエ!!」




(恋する乙女は最強なのです!!)


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^ ^;初めての青エク夢小説です。
衝動で書いたものの…燐以外にキャラが出てしまいかなりall要素のある夢に!!
主人公は京都出身で竜士とは幼馴染です。なので京都組とは素で会話しますので、ちょっと扱いが酷いかも(汗

20110511
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