※飛び出せ、お嬢様!のヒロイン
「ナマエー!」
同居をして早3ヶ月。二十歳になってそろそろまた歳を重ねる時。ナマエは任務報告書を書いているとアルバムを持ってこちらに走ってくる燐の姿があった。ナマエは手を止め、どうしましたかと言うと、彼はアルバムを開いてみせた。
「これ、俺達が祓魔師認定試験に合格した時の写真」
「まあ、懐かしいですわね」
みんな抱き合い、燐が認定試験合格のバッチを高々と掲げている、歓喜に染まった写真だった。
「ふふっ」
「ん?」
「あの時は何度ヒヤヒヤさせられたことかわかりませんわ」
「う、うるせーな、しょうがないだろ!」
「ふふふっ」
燐は頬を染めながら一枚ページをめくった。そこにはナマエが燐の頬にキスをしている写真だった。
「おっ」
「き、きゃあああああ!!!」
ナマエはあわててアルバムを閉じようと手を伸ばすが燐にアルバムを取られてしまい、それは叶わなかった。キスをされ、驚きと嬉しさを隠せない燐。燐のワイシャツを小さく掴み、可愛らしくキスをするナマエ。瞠目する雪男。悔しがる志摩。それを無言で殴る勝呂。そんな二人を見て苦笑する子猫丸。顔を真っ赤にさせる出雲。口に手をかざして驚いているしえみ。缶ビール片手に笑うシュラ。ポーカーフェイスの宝。懐かしい思い出に、ナマエと燐は思い出にひたりはじめた。
「確かこの後俺アスモダイに殴られそうになるんだよな」
「そうでしたね」
「で、アスモダイをナマエが止めて、」
「アスモダイ同様殴ろうとしたキキョウお兄様をツバキお兄様が止めてました」
燐はそれに苦笑しながらまた一枚ページをめくった。
次にあったのは二人で写る修道院の玄関だった。燐と雪男の大切な人が眠る、大切な場所。隣には修道院の人達と一緒にうつる二人や、雪男、夕飯を食べているナマエ。任務から帰ってきた燐の笑顔。文化祭でメイド服を着るナマエと出雲と朴。体育祭で二人三脚をして走る雪男と燐。それを応援するしえみ。高校の修学旅行先の旅館でふざけあう友人達。涙を堪えている卒業式。初詣にいく皆。
そして。また次にあったのは、
「、え?」
写真ではなく、見慣れない、くすんだ赤色の紙。
そこには「奥村 燐」と、かかれている。
「これ、婚姻届、」
ナマエは燐のほうを見ると、燐は照れながら、言った。
「ここにサインと判子押してくれないか?」
【結婚してください】
「う、ぅうぅぅうっ!!!」
「えっ、ちょ、何で泣くんだよ! まさかイヤだったか?!」
「ちが、違います、ぅうっ」
「あの、ナマエ」
「ひっく、ぅうっ」
「……あーもう泣き止めよ!」
「きゃあ?! あっ、燐だめ、……あんっ!」
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