短編 | ナノ


【嫌われからの逆ハー愛され】
マネジを一生懸命頑張る平凡な少女は男子テニス部からもファンクラブからも信頼を手に入れていた。そんなある日逆ハー狙いトリップ悪女がやって来て、少女を貶める。それから始まる苦しく辛いイジメの日々。そんな中でも少女は負けじと頑張り続け悪女が周りを騙していた証拠を皆に叩きつけ悪女撃退!全員正気に戻り、虐めてしまった事から来る罪悪感から少女を溺愛するテニス部。みたいなシナリオなんだと友神(友達の神様)から言われてやって来たのだが…この状況は何?


とりあえず、どうしてこうなった\(^д^)/


説明を誰か頼んでも宜しいかな?いいよね、これは聞いても…

「キモイ」

「消えろ」

「さっさと死ねよ」

目の前では先ほどのシナリオを友神に押し付けた張本人さんである、佐々木希ちゃんがケバケバしい女子生徒に思いっきり暴行を加えていた。俗に言うイジメの現場に遭遇した。悪女を演じる様に言われたのは私なんだが…何で、もう既に彼女はイジメを受けているの?私の性格上、イジメ嫌いなんだよね〜。これは止めに入っていい?ってか、こうなった場合私の立ち位置って何処に置けばいいの?とか思っていたらポケットが震える

『もしもーし』

≪もしもし、ナマエちゃん?≫

『うん、“ちゃん”付けは止めてくれない?そう言う歳じゃないし』

≪あ、ごめーん。癖で、もう立海に行ってるから分かると思うんだけどさぁ…≫

『分かるよ。今、遭遇してるから。何があってこの状況に?』

震えたスマフォはこの変な大騒動に私を引き摺りこんだ張本人からの電話だった。喋り方は軽い、ホントイラッと来る喋り方だ。まぁ、そんな事よりも今のこの変てこな状況の説明をとりあえずして貰った。何でも転生とかトリップとかではない、本当にこの世界で生まれ育った女の子が、悪女役を買って出たらしい。しかし、その女の子は頭も良くテニキャラの幼馴染との話で、佐々木希ちゃんは手も足も出す事が出来ずにこんな状況が続いているそうだ

『じゃあ、どうするの?このまま、佐々木希ちゃんの思い描いているシナリオにはならないんじゃない?』

≪うん、本人に聞いたら“とにかく私が愛される様にして!!”って昨日言われた≫

『“して!!”って言っているから本人は自分の力でしようとは思ってないんだ』

≪そう、捨て台詞で最後に“神様何だから出来るでしょ!”って言われた。神様でも出来ない事あるのにー≫

『人の心まで神様が操れたら、人の意思は入らないって事になるのにねぇ』

≪ホントだよねー≫

誤解しないで欲しい。神様は“創る”事は得意でも、その創ったものの“意思”までは操る事は出来ないのだ。“奇跡”はその対象の意志に力添えを行なう事で起きるのだ。言わば全てはその人がどれだけ努力を行なうかによって変わる為、今この状態で投げられても私達はどうする事も出来ない事を彼女は知らない。知った所で彼女は変わらないだろうが、彼女が幸せ!と感じてくれないと私も帰れないのだから、致し方ない。彼女の手助けをしてあげよう。あらかた暴力を振るった所で女子生徒達はチャイムが鳴ったので、教室へと帰って行った

「うぅ、もう嫌だ…こんなのッ!!」

『大丈夫ぅ〜?』

「!?だ、誰?!」

『私は、今日この学校に転入したナマエだよぉ〜?よろしくね?“佐々木希”ちゃん』

「…!?」

『今の場所から這い上がって、彼女の居る立場が欲しいなら手を貸すよぉ?』

「…」

薄汚くなった佐々木希ちゃんは地面に這い蹲って泣き崩れていた。しゃがんで希ちゃんより少々目線やや上の辺りからハンカチを、希ちゃんに手渡し声を掛ければその場から逃げ様としていた。怯えた表情はサド心にくるものがあるとかじゃなく、ニッコリ笑顔の猫撫で声で喋り、最後に少々素を出した。先ほどまで怯えていた彼女の瞳は欲を孕み息衝いた。ゆっくりと希ちゃんは身体を起して私の手を取った

「よろしくね、ナマエちゃん(やっと来た!私の手駒)」

副音声モロバレだよ?ちゃんと隠さないと分かる人には希ちゃんの素顔バレちゃうよ??バレても君がいいなら私は気にしないけどね。さぁ、始め様か。君が望む未来は君の努力次第だよ?私はちょっと手を貸すぐらいだ


Jokerの手を取って


H250103
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