短編 | ナノ
*傍観少女の続き
*キャラが少女に依存している話
*壊れているキャラが出る
*真田がたぶん喋ってない

















ナマエが好き
小さい頃からナマエをずっと愛していた。俺の大切な片割れのナマエ。俺にとってナマエは中心

好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きアイシテル好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きアイシテル好き好き好き好き好き好き好き好きスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキあいしてるスキスキススキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキあいしてるスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキスキすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすきすき掛け替えのない大切な大切な大切な大切な俺の片割れナマエ

けど、今の俺にはナマエの名前を口に出して呼ぶ事さえ許されていない

『幻滅したよ、“幸村くん”』

今でもあの時のナマエの表情ははっきりと瞼の裏に写っている。早く、早く、早く、ナマエからの許しが欲しいよナマエ

***

今度やって来た少女は“僕っ子”“ロリ”“愛され”“最強”とか言う謎の子だ。一人称が僕はまぁ、本人が気にしないなら別に私には関係ないので問題はない。しかし、ロリはちょっと…少女的には「身長が小さくて可愛らしい幼女に見える女の子」がご輿望だった様だが、神様はそんな細かい所まで叶えてくれるほど仕事に余裕がある訳ではないのだ。だから致し方ないだろう、神様の知識には「ロリ=幼女」の方程式のみだったのだろうから、いいじゃないか!「帰国子女で頭がいいから普通の小学校に通っても楽しくない為高校に編入させて貰いました!」何てこの日本でそんな事が許されたんだから、君はえらく神様から特典をたくさんつけて貰ったんだよ?それなのに君はまだ文句を言う何てホント強欲だねぇ〜。別に年齢が5歳下程度なんだ、テニス部の彼等と恋に落ちる可能性はなくはないんだ。まぁ、君が彼等に好かれるかどうかは分からないけどね。あ、後最後にこのクラスにようこそ歓迎するよ、良かったねテニス部に最短で近付く為に神様がプレゼントしてくれたこのクラスを存分に利用してくれ。……無理だろうけどね。HRが終った瞬間から君は孤立してしまったからのだから、利用は無理だろうけどね。……無理だろうけどね。HRが終った瞬間から君は孤立してしまったからのだから、利用は無理だろうけどね。「小学生は小学生らしく小学校に通えよ」って言うのがこのクラスの生徒からの君に対しての評価だよ、折角君は“私”と言う利用出来る対象が居るクラスに入れたのに、これじゃあ利用出来ないね。いやはや、神様はホント酷いねぇ…孤立してしまった君にこんな所で倒れられてしまったら、折角替えて貰ったのに暇潰しさえも出来なくなってしまうからね、だから私から動いてあげるよ

『始めましてこんにちは、××××さん。私ナマエて言うのよろしくね』
「よ、よろしく、ナマエちゃん!」

あら?クラスの雰囲気が変わった事に気付いたんだ。私と話した事で君が今度の私の観察対象者だと、これで皆に知られたのだよ。良かったか悪かったのかは君の感じ方に任せるよ、だけどまぁ基本的には後者が多いけれどね…さぁ、これから君がどんな立ち回りをしてくれるのかが楽しくてしょうがないよ

***

ナマエのクラスに転校生がやって来て1週間が経った。清原アリスもナマエのお陰でクラスに溶け込める事が出来てホッとしている様子だと、霙から連絡を受けた。クラスが離れている俺達テニス部には周りの雄志達から数多くの情報が事細かく送られて来る。それを元にナマエがどう言った事を望んでいるのかをテニス部は考えて行動に移さないといけない。全てはナマエの期待を裏切ってしまった俺達の償いと元に戻る為の生贄だ

「ナマエ先輩。俺達に何して欲しいですかね、今度は」
「ナマエ、2回目だよな。自分から接触したのって。1回目は結局何やったんだっけ、俺達」
「1回目、私達はナマエさんがマネージャーに推薦したい人が居ると言って連れて来たので私達はいつも通り適当に構っていただけですね」
「やぎゅー…」
「何ですか?仁王くん」
「やぎゅーの口から適当とか出て来るとは思わんかったなり」
「そうですか?私も使う時は使いますよ」
「なぁ、ナマエは転校生に名前は名乗ったけれども“名字”は名乗ってなくないか?」
「どう言う意味だジャッカル」
「ここの文章見てくれよ」

雄志達のメールをコピーし、何をナマエが求めているのかを見逃さない為に俺達はファイルに纏めている。纏った数の情報が手元に揃った時点で俺達レギュラーはナマエの求めている事が何なのかを話し合う為に集まっていた。ジャッカルが指差したのは清原アリスがナマエに話し掛けられた言葉のメールだ

『始めましてこんにちは、清原アリスさん。私ナマエて言うのよろしくね』
「よ、よろしく、ナマエちゃん!」
『親しみを込めてアリスちゃんって呼んでもいいかな?』
「いいよ!ナマエちゃん…あのね、私と友達になって欲しいんだけどもダメかな?」


「ダメに決まっているだろうが、この雌猫…」
「精市。落ち着け、これは終ってしまった事だ、どうする事も出来ないぞ」
「あぁ、そうだね。ホント、名字を言っていないね…蓮二はこれをどう見る?」
「そうだな、他のメールを見ても周りは徹底的にナマエの名字に繋がる話は一切誰も行なっていない。先生もだ、それからするにナマエは精市から接触するのを待っている可能性があるな」
「俺からか……」
「あぁ、俺の推測だが聞いてくれていいか?」
「頼む」
「俺が思うに――――」

***

蓮二の推測を聞いていた弦一郎はすぐさま彼女である真琴に連絡を入れてその推測を伝えれば、「健闘を祈る」と言う返事が帰って来たらしい。それは彼女なりのOKサインだと知っている俺達はすぐさま行動に移そうとしたが、次の瞬間にほぼ同時に全員へメールが届いた。差出人のアドレスは不明、何も書いていない本文は下へスクロールして行くと簡単な指示が書かれているだけだった。全員別の日時と時間と場所の指定。その場に居た全員が簡潔な文章だけで、誰からの指示と言う事を瞬時に理解して行動を開始する。初めは俺と蓮二、場所は…社会科準備室。1人にさせられた清原アリスは5限目に使用する資料を黙々と纏めていた、その姿を見つめながら蓮二へ合図を送り先に動いて貰う

「ちょっといいか?」
「あ。は、はい!!な、何でしょうか…(嘘!?柳蓮二が私に直接話し掛けて来た!?)」
「俺は柳蓮二だ、お前は清原アリスで間違いないか?」
「はい、清原アリスです。それで何の用でしょうか?」
「“幸村ナマエ”と友達なのは本当か?」
「え?ゆ、き、むら…?(な、にそれ、そんなの聞いてない!!)」
「あぁ、そうだ。知らないかも知れないが俺の所属しているテニス部部長の幸村精市の双子の妹なんだ。ナマエは」
「テニス部の噂は聞いてます。幸村ナマエって言うんですね。ナマエちゃん(向こうから近付いて来たから私がテニス部と仲良くなる為の駒だった訳ね!)それで何か御用なんですか?(お友達にとか?!)」

蓮二が話し掛けた瞬間、清原アリスの瞳は欲に満ちた飢えた野獣の瞳へと変わった。今まで来た奴等とコイツもあまり代わり映えしないなと思いながら蓮二に呼ばれ俺は、コイツの前にやって来た

「こんにちは、清原アリスさん。俺、幸村精市。よろしくね」

本当はよろしくなんてしたくないけれどね。でも、君は俺達テニス部がたっぷり利用してあげるよ…だから一時だけは君が望んだ世界を楽しみなよ

***

1年G組から小型の望遠鏡を覗きながら私は口角が上がった。清原アリスは私と話す時は上辺だけの笑顔で接して、ちょっとカッコイイ男子が話しかければ愛想良くなる、そして今の彼女の表情は心から喜んでいると言う笑顔だ。まぁ、彼女は彼等テニス部とイチャイチャしたくてこの世界にやって来たのだから、これが今の彼女が望んでいる事なのだろうが、だが、人生はそんな夢小説の様には進んではくれない事を彼女には知って貰わなければならない。精々彼女には利用させて貰おう。私とテニス部が元の様に仲良くなる為の土台部分になって頂こう。そうだな、この物語に題名を付けるなら…

『“土台物語〜彼女は私の踏み台となった〜”だね』
「何それ、ナマエ」
「何々、楽しい事でもあったの??」
『あったよ。霙ちゃん、真琴ちゃん。とーても愉しい事がね…』

「そっか、それなら私達も十分に愉しめるって事だね」と2人も嬉しそうにクスクスと哂っていた。2人の哂い声に共鳴する様に周りに居る生徒達も一緒にクスクスクスクスと哂う哂う哂う。さぁ、皆で次の物語を完成させ様じゃないか、だけど完成した所で彼女にとってはハッピーエンドではないけれどね





だって、この物語のヒロインは私なのですから
その他が幸せになる何て、何て茶番劇なんでしょうか!


H241010

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