『〜♪』
「おや、これはチョコレートですか…」
『あ、ベルゼブブさん』
パタパタと羽を動かして台所に入って来たペンギンの姿をした悪魔・蠅の王ベルゼブブ。大学で知り合った女の子と偶然街中で遭遇した時一緒にベルゼブブさんが居たのがきっかけで、変態のご近所さん達も年に数回しか入った事のない私の部屋を何度も入れるのは、このベルゼブブさん以外は居ないと思う。それだけ結構親しい仲になった。まぁ、彼に理解があるから一緒に居られるのだろうが。こんにちはと言った私の横に停止した彼は、じーと一点見つめていた。もちろん目の前にあるのはチョコレートの山だけ
「ナマエさん、貴女はこんなにお配りする方がいらっしゃるのですか?」
『あぁ、えーと。チョコ山の半分は皆さんに作ってお配りする分ですけど、残りは久しぶりに会う女友達や後輩を呼んでチョコレートフォンデュを行なう為の物です』
「なら、今やっているのは?」
『予行練習って言うんですかね。今日行なうので、前回の鍋が最終的に闇鍋の様になってしまったので今回は失敗したくないですから…』
「あれは、悲惨でしたからねぇ…」
『えぇ…』
食材は各自持ち込みと伝えていた結果、鍋だと何度言っても各々好きな食べ物を持って来た友人達。祓魔師専用の情報屋兼祓魔師(ほぼしない)その時お世話になった恩師の弟子である女性経由で候補生の女の子も鍋に呼んだ。あの子達だけだった、普通に鍋の材料を持って来ていたのは、後の後輩や友人達は悪ふざけとしか思えないものばかりだった、そして、事件は起こった。いや、起こらない方が可笑しかった状況だ。闇鍋と化した鍋は虚無界へと繋がり、青焔魔が出て来そうになった始末。ちょうど居合わせたベルゼブブさんのお陰で何とかその場は収まった。あの時の記憶は恐ろしく鮮明で次あんな事があったら、ただじゃ済まされないと思う、そんな恐怖体験を思い出していれば、ちょっと焦げ臭いにおいがした
『え?何??』
「ナマエさん、湯煎しているチョコレート焦げていますよ」
『げっ、何で!?水の上でし、て…って、水蒸発していたらそりゃあ焦げるか…』
焦げたにおいがしたと言う事は失敗してしまったと言う事で、この失敗したのどうしようと言っていればベルゼブブさんからの助け舟が出された。「私が食べて差し上げますよ」カレー以外進んで食べ様としてくれない彼が、こうも何の条件も無しに食べてくれるはずがないと何故私は気付かなかったのかと、喜んだ数秒前の私を殴りたかった
「ただし、ナマエさんごと頂きますがね」
『え?』
キョトンとしている私が振り返れば、いつの間にか元の姿に戻っていた紳士な彼の口が孔を描き嫌な予感がした次の瞬間に私は頭からチョコレートを掛けられて、床に転ばされていた。跨って来た彼がニヤリと笑い鼻に付いたチョコをペロリと舐められた
ドキドキしてる私なんて死ねばいいのに!!
(別に獲って喰う訳ではないんですから…)
(食への冒涜です!)
(腐女子的にはこういうの好きでしょう?)
(う゛(否定が出来ない!!)
20120214
次のフラグを立て様と頑張ったら次は大人数になる予感が/(^p^;)\
情報屋な彼女。声優さんが上の方と被ったのはまぐれである