短編 | ナノ


「言っていた資料はこれで集まったかな?」

『えぇ、十分ですよ』

「それは良かった」

新宿にある彼の豪勢な事務所兼自宅に招かれたナマエ。集めてもらう人の資料はいつも以上に多かったはずだが、彼・折原臨也はそんな愚痴も零さず5日間と言う最短で資料を集めてくれた、早く集まった事で私の仕事もスムーズに行く為。時間が浮いてラッキー!帰っても暇だしゲームして遊ぼうかな〜とか思っていれば、帰る支度をしていたナマエの目の前に2枚のチケットが置かれた、何かなと覗けば置いた主が、チケットを片手にニコリと笑った

「ねぇ、ナマエ。これにも興味あるよね?」

『…テディベアですか、まぁ、好きですね。それが何か?』

「資料が集まったんだから、ナマエの仕事にも余裕があるよね?」

『えぇ、まぁ…(嫌な予感が…)』

容姿端麗な彼の不敵な笑顔を見せ付けられながら、段々雲行きが怪しくなって来ている会話で、その後の言葉を聞かなくても分かっていれば「一緒に行ってくれるよね?どうせ家に帰った所でゲームなんでしょ?」の言葉を聞いて用事がないなら付き合いなよと言うニコニコ無言の圧力に負けて、テディベア祭りが行なわれている池袋に車を走らせた
「いや〜、良かったよ。前に仕事を依頼して来た人から“どうぞ貰って下さい”って言われたけど、正直テディベアには興味が無かったからナマエが一緒に来てくれて」

『そうですか』

「何、どうしたの?もっと楽しく行こうよ」

『いやぁ…ねぇ』

歯切れが悪くなるナマエとは裏腹に臨也はこの上なく上機嫌だった。上機嫌な臨也が逆に怖いナマエは会話も受け答え程度だけだった。極め付けの発言は「仕事の報酬はこれでチャラにしてあげるから」だった。車が信号で止まっていた時だったから良かったもので、もし運転中ならば、この車はきっと電信柱にぶつかっていた。そんな天地が引っ繰り返るぐらい驚いた出来事が終って、目的地に着けばただ本当にたくさんあるテディベアを2人並んで時々話しながら見終わってしまった。裏があるのではないのか?と疑う臨也の行動はこの手元に収まりきれないテディベアが物語っていた。買ってくれたのに疑う私は、相当臨也を警戒していた様だった

『いや〜、臨也が恐ろしく優し過ぎの警戒しまくりだったじゃん』

「本人目の前でそれ良く言えるよね」

『だって、本当の事だし』

嘘言うのは失礼になるしとか言って会場から出て駐車場に向かって歩いている途中で臨也は足を止めた。首を傾げていれば、「送って貰うのはやっぱりいいよ」と言われ、分かったと返事をすれば、「その代わりに…」と距離を急に詰められて臨也の顔が近くに来たと思えば頬に何かが触れリップ音が聞えたと同時に踵を翻し臨也は走って駐車場を後にした、彼を追っ掛ける様に罵声とコンビニのゴミ箱が飛んで行くのも同時だった




!!




(いざやぁぁぁぁぁぁあああ!!!)

(ごめんなさい、池袋の皆さん…(色々と)


20120212
第四弾は折原臨也さん(首無)
やっぱり、口調がつかめない^д^;
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