短編 | ナノ


久しぶりに外を出歩けばこうやって厄介事に捕まる



「ナマエ様、これを受け取って下さいまし」

『……』

いきなり現れたノボリさんが手に持っている、綺麗な包みを受け取る事を躊躇していれば「はい、どうそ」と問答無用で手の上に置いた。突き帰す事も可能なのだがそれをすると前の様に、たくさんの人達が居る目の前で泣き始めた。サブマスで女性に人気の名高いノボリさんが泣けば、目立つ事を分かっていて彼は嘘泣きをした。今回もきっとそうなると分かっていたからこの綺麗な包みをそのまま受け取った

『…何かまだ様があるんですか?』

「いいえ!ただ、ナマエ様が受け取ってくれた事が嬉しくてつい、頬の筋肉が緩んでしまったんです」

『…そ、そうですか…』

いつもと同じに見えますと言う言葉は心の奥に仕舞いこんで、ニコニコ笑っている(本人談)ノボリさんが一行にその場から離れない為、貰った包みを持ってナマエが振り返ってその場を離れ様とすれば、ノボリさんに首根っこを捉まれ停止させられた。その際女性とは思えない声が出たのはノボリさんのせいにして、ナマエは眉間に皺を寄せながら顔だけ後を向いた

『用事は終ったんですよね?』

「えぇ」

『それなら、何で引き止められなきゃいけないんですか?』

「それは、その包みを開けていただこうと思いまして」

『それだけですか?』

「それだけです」

綺麗な包みの正方形の箱。嫌な予感がプンプンしているが、開けて見ない限り、この人はまた嘘泣きを行なうだろう。私には選択肢が1つしかないと諦めながらナマエはノボリさんに言われた通り、綺麗な包みを慎重に取っていく。箱が出て来て、箱を開けるとそこには箱と同じ形の正方形の一口で口に収まる大きさのチョコレートが1つだけ入っていた。ちょっと高級なお店のチョコレートの様だがチョコレート以外の物が、高級感が感じられない為、手作りと判断した。判断したのはいいが、困ったな…絶対に何か仕組んである、と疑ってしまうほど不気味すぎた。物ではなく食べ物が入っていた為、食べない限りノボリさんはこの場を離れてはくれないと分かった。とりあえず、毒が入っていない事を祈ってナマエは一口でチョコを口の中に入れ込んだ

「どうでしょうか、ナマエ様?!」

『……とりあえず』

正方形のチョコは思っていたよりも噛み易く、何もなく食べ終われると思っていれば、カチカチと言うチョコの歯応えでは有るまじき音が頭に響いた。この音は…と思っていればノボリさんが感想を聞いて来た為正直な言葉で伝えた







(それはわたくしとナマエ様の婚約指輪です!!大事に仕舞っておいて下さいまし)

(いつ、私とノボリさんが婚約したんですか)

(わたくしの頭の中です)

(妄想か)





20120211
トップバッターはノボリさん(pkmn)
こんな感じで続きます。1話完結だったり前の話に繋がっていたり
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