「だから、俺が悪いって言いたい訳?」

はあ。私は心の中で大きくため息を吐いた。
外に出してしまえばまたそれがきっとブン太の怒りに触れてしまうからだ。
既にもう険悪な雰囲気なのにこれ以上は勘弁だ。

喧嘩をすれば、いつも同じ所へ行き着いてしまう。
どっちが悪いとか、どっちが正しいとか。
ブン太はそうやっていつも白黒つけたがる。
私はそれが苦手だ。
全部とは言わないが大半の喧嘩は大体がどっちにも非がある筈だから、というのが私の考えだった。

「ねぇ、だからそういうんじゃないんだってば。」
「じゃあどういう事なんだよ。」

ああ、大分怒ってますね、コレ。
正直、面倒臭いなあ。

「…ごめん。」

こうなったら最後、もうどうでも良くなって取り敢えず収拾させたくて謝ってしまう。
自分の意見だとか、意地だとか、そんなものをつき通す事はもう無くなってしまった。
喧嘩をして話し合って仲直りして前よりもお互いの事を知る事が出来て…なんていうものはもうとっくの昔に無くなってしまった。
向き合う事よりも場の雰囲気を良くする事の方が自分の中で重要になってしまった。
多分でもそれはブン太も一緒なんだと思う。
だから、私が謝ればそれであっさり喧嘩は終了。

きっともうお互いに冷めきってしまっている。
以前のように私達の心は近い場所には無い。
それでも、私達はこの関係を終わらせようとはしない。
明確な別れる理由が無いからだ。
とても不毛な関係を続ける事を、私達は無意識に選択している。


「なあ、名前。」

後ろに温かい体温を感じた。
ぴったりとくっついた身体は服越しにでも逞しいのが分かる。

こっちむいて、と言われて顔を向ければそのままキスをされる。
間髪いれずに舌が侵入してきて、私も拒む事無くそれに必死に絡ませる。
くちゅくちゅと音が鳴ってどちらとも分からない唾液が口の端から伝った。

まるで言葉を発するのを禁じるようにキスが繰り返されて、そのまま服の中にブン太の両手が入ってきた。
その手は迷うことなく胸へと進み、下着をずらして真っ先に先端を弄り始めた。

「ぁっ」

思わず漏れる声に、ブン太がフッと笑う気配がした。
摘まんだり軽く引っ張られたりこねくり回されたり、執拗に先端を弄られる。
それだけでじんわりと濡れてきたのが自分でも分かった。

「んっふぅ…はぁ…っ」

それに気付いたのかどうか、片手が下へと移動する。
下着の中に入ってきた手がソコへ触れるとビクンと身体が震える。

「すんげー濡れてる。」
「ゃ、ぁ…」

割れ目に沿って手を動かされれば、またじんと子宮が熱くなった。

「うわ、また濡れてきた。」
「ゃ、そんな事言わなくて、いいからっ…!」

ほら、そう言ってわざわざ手を目の前に持ってこられる。
親指と人差し指を擦り合わせて離せば、透明な粘液がツウと糸を引いた。

「なあ、名前、俺の舐めて。」

そう言ってもたれかかっていた私の身体を立たせると、ガチャガチャとベルトを外す音がした。
ジッパーを下してズボンと下着を一気に膝まで下げると反り立ったモノが勢いよく出てきた。
若干気だるい身体の向きを変えてソレを口に含んだ。
ゆっくり根元まで入れて先端ギリギリまで出してを繰り返す。

「はあ…」

気持よさそうな吐息が聞こえて、今度はカリの部分を舌でチロチロと舐めてみる。
そうすればビクンとペニスが震えた。
再び口に含んで今度は浅い所で早めに動かしながら、根元の方は手でスライドさせた。
たまに吸ったりしながら繰り返していると、強制的に頭の動きを止められてかと思えば再び後ろ向きに四つん這いにされる。

「無理、入れてぇ。」

乱暴に下着をずり下ろされて先程まで舐めていてぐちょぐちょのペニスを宛がわれる。
焦らされる事無くそのまま一気に貫かれた。

「あんっあぁ…!」

最初から容赦なく奥を突かれて自分でも恥ずかしいほど大きな声で喘いでしまう。
抑えたくても抑えられない。

「っあっあんっぁ、あぁ」
「何、だよ、そんなにっ、気持ち良いのかよ!」

言葉とは裏腹に声に余裕さが無い。
腰を掴む手に力が入った。
ああ、そろそろイくんだな、そう思いながら自分も限界に近づく。

「だめ…っもうイっちゃ…あぁ…っ」
「名前、俺もイく…っくっ」

ブン太より一足先にイってしまうと直後苦しげな呻き声が聞こえ、大きく一度グラインドされた後抜かれた。
太ももに生温かいものが掛かる。

ああ、拭かないと。そう思いながらも気だるさに負けた私はそのまま目を閉じた。


ぐるぐる落ちるしかないのに止められない

end.







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