舌先の劣情 | ナノ





志摩が自分のを愛おしそうに優しく愛撫するから燐は頭の奥がじんわり痺れてもっと、と貪欲になってしまう。裏筋を丁寧に舐める、それがどうしようもなく気持ち良くて抑えていた声が出てしまった。咄嗟に両腕で顔を隠すも、それは手遅れで。志摩が愛撫するのを一旦止めてこちらをにやにやしながら見ている。


「気持ち良いん?」

「っ!んなの、」

「そんなの?」

「志摩が、やってるから・・・・!」


今なら恥ずかしくて死ねるかもしれないと燐は思った。同時になんて事を言わせるんだろうこの男は、とも。分かりきってることなのに聞くなんて意地の悪い。奥村くんは煽るの上手やね、誰に教わったんやろ妬けるわぁ。と廉造は燐の気も知らないで言った。


「ばっか!俺がお前以外に抱かせてるって言いたいのかよ?!」

「ちゃいますけど、」

「俺は!お前だから感じるし、お前だからえっちするんだよ!この、」


喚きたてる燐の唇を廉造は深く口付けた。腕を振り上げて抵抗する燐を押さえつけて舌で翻弄する。そうすれば燐の腕から力が抜けることを廉造は知っていた。ちゅ、と可愛らしい音をたてて解放する頃には燐は再びぐずぐずに溶けていた。


「堪忍な、あまりにも燐が可愛いからつい意地悪したくなってしもうたんよ。」

「・・・・許さねえ。」


どうしたら許してくれるん?そう口元を歪めて廉造は燐の耳に唇を寄せて囁いた。その声にさえ感じてしまうほど燐は限界が近く、廉造が欲しくなっていた。頬に熱が集まるのが分かる。行為が済んだら取り敢えず一発殴ろうと誓って、燐は廉造の首に腕を回した。


「早く、欲しい。」




2012/04/07/hmr

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