夜に酸素を盗まれる | ナノ




年下雲雀と年上骸




丸い頭と学生服に身を包んだ身体が周りの闇に同化している。今日は大学のサークル仲間と飲み会があって、帰りは零時を過ぎていた。遅くなるから、と連絡するのも変だと思ったので何も伝えていなかった。まさか、待っているとは。先程携帯を開いたら彼から着信が何件か着ていた。僕以外に構うものなんていくらでもあると思うのに、呆れる反面嬉しくも感じた僕は相当侵されてしまっているようだ。


「ひーばりくん?」

「・・・・・・。」

「こんな所で・・・風邪をひいてしまいますよ。」

「・・・・・遅いよ。」

「すみません。サークルの飲み会に参加していたんです。」


声を掛けると鋭い視線と咎めるような言葉が返ってくる。うずくまる彼に手を差し伸べた。ここで話すより暖かな部屋の方が良い。彼は僕の手を黙って取った、と思ったら勢い良く引っ張った。勿論、僕の体は彼の方へ倒れ込むような形になってしまう。


「ひば、」

「連絡ぐらい、してよ。」


らしくもなく少し震えている雲雀くんが可愛くてはい、と返事をしながら小さく笑うと何笑ってんのと冷えた唇が僕のを塞いだ。



t:絶頂
2012/01/25