「ま、待って、それはだめ!!」
「え?」

なまえの叫びに驚いたのか、一瞬爆の動きが止まった。そこを突き慌てて爆から弁当を奪い返す。一呼吸置いてゆっくりと爆の方へと振り向けば、彼は随分と呆けた顔でこちらを見ていたが暫くすると困ったように頬をかいた。

「あー……悪い、くぐるからお前が俺にって聞いてたから……」
「う、うーんと、あっては、いるんだけど」
「えっ、あってるのか?」
「……えーっと……もっと、美味しいのを、食べてもらいたいというか……」

爆は不思議そうに首を傾げる。あまり理解してはくれていないらしい。爆くんには本当に美味しいものを食べてもらいたいの、とつい言いたくなるのをぐっと飲み込む。言ってしまったらそれこそもっと言ってはいけないことを言ってしまいそうな気がしてならなかった。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -