「ほんと、くだらない嘘ばっかりつきやがって」

思わずびくりと身体を震わす。ノボルくんが怒るのは苦手だ。でもノボルくんが怒るのも仕方ないだろう。きっと逆の立場だったら私だって怒っている。

「だ、だって……」
「どうせ、俺に迷惑かけたくない、とか思ってるんだろ」

図星をつかれて思わず言葉に詰まってしまった。私はどうもノボルくんにことあるごとに迷惑をかけてしまうところがある。だから、よくそれをなんとか少しでも減らそうと嘘をついて誤魔化そうとする。しかしそれは結局意味なんてなく、ノボルくんに見破られてしまうし余計に迷惑がかかるだけなのだ。私が黙っていると、呆れたようにノボルくんは溜息を吐いた。いや実際呆れているに違いない。

「お前が迷惑かけないなんて俺はこれっぽっちも思ってねーんだよ」
「な、何それ酷いっ」
「事実だろ」

再度言葉に詰まる。確かにノボルくんに迷惑をかけないことなんてないと言うぐらい迷惑をかけている。だからこそ嘘をついてまでそれを減らそうとしているのだが。

「…………別に、好きなだけ迷惑かければいいだろ。お前がかける迷惑なんて、大したもんじゃないし。そんなに迷惑なんてものじゃないんだよ」

分かったか!?とノボルくんは叫ぶとそっぽを向いてしまった。大したものじゃない、なんて嘘だ。でもこうして私のことを思って言ってくれている。そう思うと、嬉しくて少し泣きそうになった。泣かないようにと慌ててかぶりをふってノボルくんの方を見れば、心なしか少しノボルくんの頬が赤いように見えた。

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