みょうじさんは、僕の頭をよく撫でる。どうして撫でるの、と聞けばみょうじさんはびっくりしたような顔をした。自分でも撫でている理由がよく分からないらしい。だから、不思議な子だなあ、と思った。でも、僕は間違っていた。もっと彼女は不思議な子だった。

「ねえ、友達になろうよ、吹雪くん」
「…どうして、僕と?」
「うーん、どうしてだろう。友達になりたかったからだと思うけど」

そう言って困ったように笑うみょうじさんの隣で、土門くんがどこか面白そうに、なまえと友達になると色々と大変だぞ、と笑って言った。みょうじさんは怒ったように土門くんの肩を叩いた。でもすぐに顔は笑顔に変わっていた。この二人は凄く仲が良いことは僕にも分かっていた。仲が良いからこその今のやり取りなんだろう。

「僕でよければ、よろこんで。よろしくね、みょうじさん」
「うん、よろしくね、吹雪くん! あと、なまえでいいよ。そう呼んで」

土門くんに向けていたのと同じ笑顔を今度は僕に向けて、みょうじさんは、なまえちゃんは笑う。やっぱりこの子は不思議な子だ。友達になろう、なんて。そしてたったそんなことで、こんなにも嬉しそうだなんて。

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