「お前も、一緒に行かないか」
こいつは何を言っているんだろうか。行くなら一人で行けばいい。私は行かない。行けるわけがない。
「此処にいたって、仕方ないじゃないか」
確かに私はマネージャーの中で一番何も出来ない奴だ。いてもいなくても変わらない。それでも、そうだとしても。
「行きたければ一人で行きなよ。私は逃げない。最後までみんなと一緒に戦う」
顔を見たくなくて俯く。沈黙が流れる。暫くして遠ざかっていく足音が聞こえた。これで良かったのだろうか。私はあのまま一緒に行くべきだったのだろうか。それとも彼を引きとめるべきだったのだろうか。胸の中がもやもやとして気持ち悪い。無性に泣き出したくなった。ああもう、風丸の馬鹿。馬鹿。馬鹿。