待て待て待て待て。
なんだこの状況は。
今日が私の命日なのか……?
名字名前は今、絶体絶命のピンチに陥っている。
「……嫌なら、いい」
「い、嫌とかじゃないんです! その、ただ、このままじゃ心がもたないというか、息ができないというか……!」
眼前に迫る風間から視線をそらしながら詰まりそうな喉からなんとか言葉を絞り出す。
床にお尻をつけ後ずさるが、その分、風間が覆いかぶさるようにして距離を詰めてくる。
あ、終わった。
トンと背中が壁につき、身の終わりを感じた。
「なぜ逃げる」
「え!? それは……」
風間さんに迫られているおかげで心臓が飛び出そうなほど暴れていて変な汗まで出てきたからです、とは言えない。
こんな事になるなんて思っていなかった……。
「照れてるのか」
ぐっは……!
名前の腰をさすりながら呟いた声はしっかりと名前の耳に届いた。むりむりむり。キャパオーバーですよ。
両手で真っ赤な顔を隠す。風間さん自分の破壊力理解してないでしょ。クールな顔でふっと笑った時の尊さをどうか理解してほしい。
「ひゃぃ!?」
視界を塞いだのを良しとしたのか、腰にあった手にぐっと力が入り横を向かされる。驚いている間にするするとお尻まで手がすべり、柔らかい部分をふにふにと揉まれた。あっという間のこと過ぎて頭がついていかない。
畳み掛けるように、お尻に唇をつけられる。
「かわいいな」
腰に手を添わせたまま見上げてくる風間を視界に収めたのを最後に、名前はぱたりと床に倒れた。
お尻 愛おしさ