▼ 過干渉にご注意


コンビニチェーンが新しい何かをはじめる度に、買ってみようかな、なんて思ってしまう。
今日も好奇心から新発売というマスドのぱくりみたいなドーナツを買って帰ってきてしまったわけで。

「…普通」

うん、普通。マスドとあんまりかわらない。
新発売とか言ってちやほやされてるわりにあんまり美味しくない。特別不味いというわけではないけれど。

よく考えてみれば、新発売だから美味しいというわけではないんだし、バイト先に入ってきた新人が東大卒で期待してみたら使えない人だった、的なのと一緒だ。別にがっかりされたくて新発売になったわけじゃないドーナツを見てるとちょっと同情。あれ、私つかれてるのかな、これ無機物だから。

「…あ、」

携帯電話に残るメールの通知、開いてみると30件近いメールが溜まっている。

『今から伺います』

最後のメールの内容と、メールが送られた時間を見てすぐにテーブルに広げられたお菓子を片付ける。こんな夜中に間食とかだらしないって思われちゃうよ。

「…セーフ?」

「アウトです」

片付け終わるのとほぼ同時に後ろから声が。
相変わらず死んでる目と、真っ白の制服。ああ、変わんないなぁこの人。

「メール、見てなくてごめんね」

「何かあったのかと心配しましたよ。無事でよかった」

「急いでた感じが全然しないんだけど」

「…なんですか、そのドーナツは」

「ん?…ああ、コンビニの新商品だって。新発売っていうから買ってみた」

「マスドのドーナツに酷似してますね」

「ほんとにね」

ドーナツの袋と、散乱した書類。それらを死んだ目で見つめる佐々木殿は呆れてるのかなんなのか。
散らかっている机の上から必要なものだけを取り上げていく佐々木殿を観察しながら、ドーナツを咀嚼する。








ボツ理由
私のセブン○レブンへの悪意が滲みでている
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