▼ じしんがないの

いい加減にしてよ。その言葉を何度呑み込んだだろうか。所詮私は元教え子の大学生で、先生は先生。私の事なんてアウトオブ眼中だって思ってたけど、結末はまるで某ネズミーランドのお姫様みたいに、私と先生はゴールイン。
でもお姫様のナレーションみたいに二人は幸せに暮らしました。なんて事にはならなくて今に至るわけだ。
たまにしか会えないし、女の生徒さんから貰うラブレター貰ってるし、ただの大学生の私より現役JKの教え子たちの方がいいんじゃないかとか考えたりして。

家に帰って自分の部屋のベッドに倒れてみた。ベッドサイドに置いてある先生と私の卒業式の時の写真がなんだか切なくて、そっと写真立てを伏せる。
付かず離れずの距離感と、嬉しくて、恥ずかしくて染まる私の頬。余裕そうに、でも優しい笑みを浮かべてくれる先生が大好きで、ちょっと泣きそうだ。

「先生の馬鹿」

シーツをギュッと握って布団に顔をうずめた。年の近い子と付き合っていれば、何か変わったのかなーなんて思ったりして。
顔をあげて親友のトシにメッセージを打ち込む。『つらい。話したい。ヘルプ』すぐに既読が付いて、相変わらず過保護な返信。『電話するか?』『うん、したい』既読がつくのと同じタイミングで電話がかかってきた。すぐに出て電話を耳元に当てる。

「どうした?」

「別にどうもしてないけど」

「また銀八か」

「なんで分かったの!?」

いつも銀八のことで病んでんじゃねーかと言われてなんだか申し訳なくなった。付き合ってることを知っているのはトシだけだし、相談できる人なんてトシしかいないから結局いつもトシに頼ってる。

「ねぇ、私ってやっぱり先生と釣り合ってないのかなぁ」

「毎回言ってんだろ、釣り合ってねーのは銀八の方だ」

「いや、でも先生かっこいいし、大人だし、優しいし私なんか」

「あーもう分かったから落ち着け、めんどい」

「めんどいとか酷いよトシ!私達親友じゃん」

「親友なら多少ひどい扱いしても大丈夫だろ」

「思いやり欠如してるよ!」









ボツ理由
土方さんの扱いが悪くなりそうな予感が初っ端から漂う
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