▼ とりっぷ


「やっぱり実際に見る火野くんはイケメンですなぁ」

でゅふ、とオタク臭を隠すつもりもなく街路樹の裏でニヤニヤしている私は特撮オタクのうら若き女の子です。
寝ぼけていたら変なコート着た鳴滝さんに似たコスプレオヤジが目の前に現れて、必死に抵抗していると私の大好きなイケメン怪盗である海東さん(ダジャレではない)に似た人が助けに来てくれて、気付けば全く知らない場所に飛ばされていた。

夜だったはずの時間はこちらでは真昼間で、目の前ではオーズこと火野きゅんがヤミーと闘っている。
夢にしては完成度たっけーなおい。と一人で感心していたのだけど、後ろから聞こえるジャラジャラというメダルの音にビビって振り返るとそこには伊達さんが。

The 部屋着な格好をしてそれプラス裸足の私を見て伊達さんは数秒固まった。そりゃそうなるだろう、なんでこんなところで裸足でつったってんだよって思うだろう。私詰んだかも。言い逃れできない。

「あの、実は私、その…」

必死に言い訳を探そうとしてみるけど何も思いつかない。伊達さん!空気読んで!!ほら!ヤミーが!稼ぐチャンスだから!私のことは見なかったことにしてはやく戦いに行って!

そんな心の声が伝わったのか、ヤミーの攻撃がこちらに飛んできた。どうせ夢の中だからと調子に乗ってよけなかったら、足を攻撃がかすった。痛くないだろと調子に乗ってたら、地味に痛い。血が出てるのを確認して、私はこれが夢じゃないことに気がついてしまった。

「大丈夫ですか!?」

「え?あ、はい、大丈夫です」

「伊達さん!彼女を頼みますよ!」

「お、おう」


火野きゅんに心配されちゃったー☆なんて言っていられない。どうしよう、これってもしかして俗に言うとりっぷってやつでは?









ボツ理由
ヒロインのテンションが迷子
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -