「昔街の商人の娘さんに告白されたんですが、好きな人が居るからその気持ちを受けとることは出来ませんと伝えたら、じゃあ一度だけキスさせてくださいってお願いされて、それが私のファーストキスですね」
「ベルナールが顔に似合わず羨ましい過去を送ってきてるんだけど」
「顔に似合わずって何ですか失礼な!」
「ファーストキスを好きでもない女としてるとこは相変わらず流されやすい性格だとしみじみ」
「うるさいですよイドさん!」
「でも好きな女が居たんだろう?」
「居ないですよ、断る口実です。大体その街はたまたま寄ってただけなんですから」
「そうかー。俺なら付き合うけどな」
「それより将軍のファーストキスは誰なんですか?」
「どうせあの子煩悩の父君だろ」
「…………………」
「…………えっ将軍?」
「…………コルテス?」
「…うっせえ」
「…………本当ですか?」
「…すまん、まさか図星だとは思わなかった。いや仲の良い親子じゃないか。親の居ない私には羨ましい限りだよ。大丈夫だ、肉親とのキスはカウントされない。……しかし覚えてるってことは物心ついた後なんだな」
「イドさんドン引きしない」
「……イドはどうなんだよ」
「私?16」
「ダウト」
「何故分かる!?」
「いやなんで嘘ついたんですか」
「本当は?」
「18」
「ダウト」
「チッ」
「将軍もなんで嘘って見破れるんですか!?」
「イド、本当のこと言わないと今日のお前の夕食に唐辛子をそっと忍び込ませる」
「地味ですね!?」
「…先月」
「ちょっ、めちゃくちゃ最近じゃないですか!」
「童貞捨てる方が早いってどういう事態だ」
「初めてのキスは初恋の人が良いとかそういう…」
「もしそうだったら俺はドン引く」
「………巨乳に奪われた」
「?なら良かったじゃないですか。イドさん好きですよね、巨乳」
「いや…巨乳だが、顔はアレの、男か女か分からない宿屋の」
「あ、もう分かった言わなくて良い」
「……うわー、壮絶すぎてさすがイドさん」
「しかし今まで会ったどの女よりも胸のでかい女と接吻できたという事実は光栄に思うべきかもしれん」
「………さすがイドさん」
「お前一度川で脳ミソ綺麗に洗い流してきたら?」


2012/08/29 03:35
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