‐12.08.27 Mon (23:43)
せいりん夢主と黒子くんと火神くん
「京都かぁ…」
部活帰り。 通りにある旅行会社の窓に貼ってある紙を見て、彼女は立ち止まった。
「…お前に京都とか、なんか似合わねーな」 「うるさいバカガミ」
「京都へ行きたいんですか?」 「うん、行ってみたいなぁ…。待ってる人もいるし」
「待ってる人?」 「そー、彼氏がね、京都にいるの」 「彼氏!?おま、彼氏とかいんのか!?」
あまりの驚きに火神くんは鞄を肩からずり落とした。
ああ、とボクは歩きだす。 彼女もボクに合わせて歩くため、火神くんだけが置いてけぼりの状態だ。
「しつれーだな。火神くんは。ね?黒子くん」 「…そうですね」
適当に相槌をうっていると復活した彼が彼女に掴みかかる勢いで迫る。
「しんっじらんねぇ!まじかよ!ありえねー!」
「まじもまじ。京都いったらー…そうだなー、彼氏さんと東大寺いってー」
「東大寺は奈良です」
「歴史を感じつつ抹茶のデザートとか食べに連れてってもらう」
「結局は食い気かよ」
「あと、湯豆腐食べるのっ!」
「なんで湯豆腐、豆腐そんなに好きだったか?」
「彼氏が好きなの、湯豆腐」
「…まじなのか、彼氏…!」
「うん、バスケやってる」
「おお!んじゃ、いつか戦えんかもじゃん」
「いやー火神くんじゃ無理だ」
「は?」
「だって、あの赤司くんだもん!」
きゃあ!と頬に手をあて彼女は笑った。 ボクはそんな彼女の浮かれた様子にも慣れたもので、気にせず歩くペースを保つ。
「赤司!?あ、あいつが彼氏…!?」
「うんっ」
「いや、無理だろ。付き合わないだろあいつがお前とは」
「彼氏だよ彼氏。私赤司くんちょーすきだから」
「おい黒子こいつなに言ってんだ」
「かわいそうな人なので放っておいてあげてください」
「赤司くんはねー、和服めちゃくちゃ似合うのー!」
「えっ虚言癖?」
「昔からなんです。何故か赤司くんが彼氏だと思い込んでて…。赤司くん本人も困ってるんですよ」
「変なやつだとは前々から思ってたが…。ひでぇな」
そうだ、京都へ行こうてきな。
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