小説q | ナノ


||| ゆるゆる研究所

「ナマエ、怒られる時ルシファーさまよりベリアルの方が怖いんじゃないかって時々思います」
「随分と悲しいことを言うな、オレたちの仲じゃないか。不満も全て打ち明けてくれ、なぁ?」
「出た!」
「人を化け物のように言わないでくれよ」
「ベリアル」
「オーケイ、次は予定通り進めても?」
「問題ない。良い結果を期待している」
「……任せてよ」
「こわいかおー」
「ナニ、人の笑顔に文句が言えるほどキミは偉くなったのか?全く子供の成長は早いな」
「子供じゃありません!」
「双方早く任務に戻れ」
「むむむ」
「ハイハイ、行ってくるよ」


「そりゃー!……あれ、驚かないの?」
「驚く?研究所は、安全な場所だ。人を傷つける必要はない」
「驚くと傷つけるは違いますよ」
「そうなのか」
「む、サリエルの髪は長くて丁度いいですね!大きいし物陰に立てば上手に……」
「ナマエ、何処にいる!先の説明不足に関して話がある、至急妾の前に姿を──」
「うわあ、ミカちゃんだ。たいへん」
「逃げているのか」
「うん」
「隠れるのか」
「うん」
「そうか」
「しーっですよ、しーっ!」
「見えているぞ」
「うわあ!」


「サリエルの肩に乗ったらきっとナマエが研究所の中で一番大きくなりますよ、わーい!」
「何故大きさにこだわる?」
「大きいと強くみえます!」
「君は強くなりたいのか」
「ううん、高いところの景色が見たいだけ」
「わからない……」
「サリエルはしゃがんでくれればいいんです。ナマエが登り終わったら立ち上がる、あとは自由にしていいですよ」
「わかった」
「あ、でも蟻の巣観察に行くのはだめ、今は我慢して」
「わかった」
「手始めに所内を歩き回りましょう、高いところから世界を見下ろすんです!」


「これあげるね〜、おはぎ!」
「おはぎってなに?」
「お米を潰してあんこで包んだ、空の民の食べ物だよ。うちらとは〜とま〜で、よく食べるんだ」
「甘くて美味しいんだよ、食べてみて!」
「甘いにおいがするのは分かるんですけど、どうしてナマエに?」
「空の民がね、疲れた時には甘いものって言ってたんだ!」
「最近忙しそうに走り回ってる所をよく見るから、よかったらと思って」
「つぶつぶする」
「お米とあんこ入ってるからねぇ」
「でも美味しいでしょ?」
「……うん、おいしい。一生懸命作った人の味がする」
「えっへん!」

[ back to top ]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -