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||| ベリアルと最期の会話

「オイオイ、まだ戦うのか?やめてくれよ、大事な仲間に傷なんかつけたくないんだ」
「……はは、ばかなこと…」

空の世界と赤き地平の境界を繋ぐ監獄、パンデモニウム。その頂には星晶獣が集っていた。
一人は漆黒の六枚羽を背負う星晶獣。一人は不滅を滅する力を得た黒衣の男。一人はその身体を最高傑作と繋ぎ合わせた死体。そして最後の一人は、力なく地に伏している羽もない獣だった。
ヒトによく似た真っ赤な血を吹き出しながら形の良い頭を踏みつけられ、もはや武器を握る力はない。それでも射殺さんとばかりに六枚羽の男──ベリアルを睨み続けている。
周囲に散らばる羽の残骸、そして切り落とされた肉と骨がその痛々しさを物語るなか、ベリアルはゆっくりと羽を失い肉が覗く背中へと脚をを伸ばす。

「痛いか?いや、痛くないはずがないか。キミの身体は特別だ、星の民だった頃と何も変わらない。痛覚はそのまま。再生能力も獣より劣り、コアの力を引き出すにも限界がある。あの日、いっそ素直にファーさんに殺してもらって作り直してもらえば良かったのにな?」
「ぐ、ぅ……」
「だがその願いを叶えてくれるファーさんも目覚めてはいない。キミの願いを叶えてくれる人は誰もいない。可哀想なナマエ、キミも空の底でこない人を待つといい」


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