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||| ルシファー

かみさまが居なくなった世界はいつも通りでした。

神様はその身を二つに裂き、停滞と変化へ分けました。やっぱり世界は神話の通りなのです。
前者はルシファーさまの研究を後世に残そうとする派閥へと、後者は厄介者が消えて助かったと言わんばかりに研究記録を消そうとする派閥へと。形を変えて、神様の居なくなった現実をナマエへと突きつけてきました。
彼らが欲しいのは神様ではなくその身体なのです。そして、神様の身体──研究成果の一部であるナマエも、どうせ捕まってしまうのでしょう。
ナマエの身体で無意味な研究を行うのか、それともナマエを使って記録を取り出すのか。星晶を取り除いて在るべき形へ戻す、という話も風の噂で聞きました。
どうして、何故なのでしょう。
何故誰も神様の死を悼まないのですか。 ナマエの神様は邪魔者だったのですか。 邪魔者から生まれたナマエという星晶獣は一体なんなんですか。
どうしてルシファーさまは邪魔者にされたのですか。
世界を壊しちゃいけないのはどうしてですか。嫌いなものに嫌いというのはいけないのですか。
ざらざらした感情が沢山胸を擦るから、ナマエは痛くて涙が止まりません。

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