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||| ブラックビートル

血が、飛んだような。

赤色になった僕の手と、足と、僕の友達と、ただぼーっと見ていた僕と、目の前の、黒いメダロット。
──君はだれ。
ぼーっとしながらやっと出た言葉。多分、今聞くべきはこんな事じゃない。でも僕は、それを聞かなきゃいけない気がした。
だって、あんなに悲しそうな顔をしてる。
痛そうにしてる友達を心配するわけでもなく、怒るわけでもなく、そんな事を聞く僕はきっと悪い子だ。でも、それでも。
「きみは、何者なの」
「……ただの野良メダロットだ」
僕が欲しかった答えは、それじゃない。
「ちがうよ、僕はきみの名前を聞いてるんだ」
「聞いてどうする、お前の手元のアライグマに教える気か?そいつはもう死んでいるぞ」
「しってるよ、でも、そうじゃなくて、ぼくは」
そんな顔をしてまで、ぼくの友達を殺したきみが心配で。何故そんな事をしたのか、知りたくて。

/2017

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