基山と風丸
※円堂結婚後捏造、死ネタ注意、長め
とあるビルの、本来なら立ち入り禁止であろう屋上に二人の青年が寄り添うようにいた。
青い長髪に深紅の瞳の男と赤い癖毛に翡翠の眼の彼らは、かつて中学生サッカー世界一に輝いた風丸一郎太と基山ヒロトである。
「風丸君、見て。流れ星」
「本当だ。……けっこうあるな、珍しい」
「確かしばらく流星群が見られるってニュースでやってたよ」
「ああ、なるほど」
知らなかった、と風丸は苦笑した。
「この頃それどころじゃなかったからな」
「ねぇ……円堂君幸せになれるかな?」
ふと、何でもない風にヒロトが呟いた。
「当たり前だろ。あいつだってずいぶん大人になったし」
「そうだね」
「ああ」
「きっと大丈夫だよね」
「大丈夫さ……」
大丈夫、大丈夫と何度も繰り返すヒロトを見て、風丸は悲しげな笑みを浮かべ立ち上がろうとする。
「さて、そろそろいくか?」
「もうちょっとだけ」
「わかった」
「……ありがとう」
「ああ」
「風丸君は優しいね」
「俺も見てたかったんだ、流れ星」
「願い事はしないの?」
「お前こそどうなんだ?」
「円堂君が素敵な家庭を築けますように」
「俺とほとんど変わらないな」
「あはは。やっぱりこれだけはお願いしとかないとね」
「お日さま園のことはいいのか?」
「あ、そっか」
「緑川が泣くぞ」
「そんなこと無いよ。緑川は強いから」
「そうかな……」
「うん」
何か言いたげな風丸を無視してヒロトは話題を変えようとする。
「円堂君、これからは二人で生きてくんだね。それできっと子供ができたら一緒にサッカーするんだ」
「………………そうだな」
「あ、そうそう」
「なんだ?」
「……何でもない」
「そうか……」
「何でだろう」
「何でだろうな……」
「別に何もしなくても良いのかもしれないね」
「そうなのかな……」
「わからない」
「そうだな」
ヒロトと風丸は顔を見合わせ笑う。
「いこう?」
「ああ、そうだな」
そうして二人は手を取り合い――――
――――眼下に広がる夜景へと身を投げたのだった。
「好きだよ、円堂君……」
「愛してるよ、円堂……」
『これからも、ずっと永遠に』
幸せいっぱいの円堂に二人の死が知らされるまで後少し。
――――――
こういうシチュエーション好き。
文才がないから何かひどいことなった気がする。誰か書き直して萌えるお話にしてくれないかな。
何はともあれ夏未ちゃん、円堂監督ご結婚おめでとうございます。
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