第71回フリーワンライ「Your Game book」 お題: 主人公を「キミ」と二人称にする(カタカナのまま使用) 涙の行方、心の在り処 闇を包んだ光の寂しさ 茜映す雲 出ていけ ジャンル:オリジナル ゲームブック風 START 1. キミは冒険者だ。勇者でも良いし、魔法使いでも良い。大剣を振り回しても良いし、弓を構えていても良い。 キミは今、丘の上に生える、大樹の根元に立っている。目指すはここから山を越え海を越え、はるか彼方にあると言われる、闇の王の城だ。攫われた光の王女を救うため、キミは今、その一歩を―― 進める→2へ やっぱりやめておく→1059へ Let’s start your story 2. キミを送り出すように、大樹が葉を揺らした。太陽が隠され、暗い世界の中でも、葉は輝いているように見える。さあ、冒険の始まりだ。まずはどちらへ進もうか。 真っ直ぐ進む→7へ 右へ行って街に戻る→11へ 左へ行ってみる→35へ 7. 大樹の前には、まっすぐ道が伸びている。 果てしない道。キミのこれからを暗示しているようだ。 ふと気づくと、キミの足元には一本の花が咲いていた。 摘む→85へ 眺める→36へ 36. 白い花はか弱く、わずかな風にも折れてしまいそうなほどに細い。光が攫われてしまい、この世界の植物はほとんどがこのように必死に生きている。 眺めているうちに、空が赤く染まってきた。闇が支配してから、夕焼けが異様に早い。茜映す雲を見上げながら、キミはまた立ち上がった。 →67へ ***Story goes on*** 184. 歩いていると、突然足元の地面の感覚が消えた。 落とし穴だ! 穴から這い上がると、キミは土を払ってまた歩き出した。 →239へ ***Story goes on*** Darkness is now in front of you 794. キミはついに、黒の宝石が輝く王座の前に立った。豪奢な黒のマントに身を包んだ、闇の王。その横の玉座に腰かけるのは、灰色のドレスを身に纏った、我らが麗しの王女。 「良く来たな。しかし、王女は我の物だ。出ていけ」 闇の王はキミに向かって、静かに口を開く。まだ相手は、武器を手にしていないようだ。 武器を手に取る→894へ 対話を試みる→950へ 王女に声をかける→1022へ 894. キミが武器に手をかけた瞬間、低い地鳴りのような声が響いた。 「お前もまた、対話を望まないというのか。我を倒すこと、人の王の歓心を買うこと、栄誉、名声、それらを望むというのか。もはや対話の必要はない」 王は黒く巨大な何かに姿を変えると、キミが身動きをする間もなく、あっという間に君を飲み込んだ。 意識が途切れる寸前、その黒い巨体から、言葉に表すことのできない悲しみが伝わってきた。 →1059へ 950. 君は対話を試みることにした。何を訊ねようか。 なぜ王妃を攫ったのか→987へ なぜ世界を闇に包んだのか→675へ もう訊ねることはない→999へ ***Story goes on*** What you see 1001. キミの前には、崩れ落ちた闇の王がいる。 不意に、光の王女が立ち上がった。闇の王へと駆け寄ると、その体を抱きかかえる。闇を包んだ光輝く王女の表情には、悲しみや寂しさが伺えた。王女の顔に、一筋涙が流れる。涙の行方、心の在り処。キミたちは口を開くことも忘れ、その光景を眺めていた。 1022. 「父上の命で、私を探しに、わざわざこのような所まで……。けれど、彼には彼の、思いがあるのです。どうぞ、彼の話を聞いてください」 王女は白い指を胸の前で組み合わせると、か細くも美しい声で、キミたちに言葉を投げかけた。 キミは王女の言葉に従っても良いし、従わなくても良い。 武器を手に取る→894へ 対話を試みる→950へ ………… Story is all over 1059. キミのお話は終わった。ゆっくりと目を閉じ、休むと良い。 [目次] [小説TOP] 1 |