Novels | ナノ

年越せ!





「ぎゃははは、司馬懿ピカソご購入〜!!」
「ピカソの絵とは司馬懿殿、なかなか粋な買い物ですなもぐもぐ」
「うるさいわ馬鹿めがっ…!くっ…何故私があんな意味わからん絵を…」
「いいから早く白い100000ドル札を2枚払え庶民」
「司馬懿殿っ!俺はその芸術への情熱に感動したっ!!!」
「じゃあ貴様が払え」
「うおおおお次は俺の番か!!」

せええい!と馬超がやっと回せるようになったルーレットをすごい勢いで回す
馬超の緑の車はまだ結婚マスを過ぎた辺りをうろうろしている

「馬超そんなゆっくりしてたら年越しちゃうよ」
「む、そうだな、精進せねば!」
「フン!その前にこの名族が相応しいゴールを飾るわ!!
見よ!!この輝かしきワインディング・ローd「あ、張遼そろそろテレビつけて!」
「おおおいちょっとおおお!!?」

わーっと賑やかな歓声が画面から聞こえてくる
年末のアイドルグループカウントダウンである
そう、今は2011年12月31日23時57分!
そしてここはおなじみ202号室のリビング

テーブルの上にはみんな一度は経験あるであろう人生○ームが広げられている
今日のメンバーは202号室に風紀委員を足して、そこから神社の準備に忙しい甘寧と孫策が抜けた、
俺、司馬懿、袁紹、馬超、張遼の5人である

三度目の仕返しの青いマスに止まって三たび馬超の緑の車を15マス(計45マス)戻したのは張遼の青い車
さっきピカソの絵を奮発して買ったばかりの司馬懿の車は自分と伴侶のみ、子無しの紫の車
俺の赤い車は何故か子供を売り払ってもなお約束手形を返しきれず、
開拓地から出られないでいる
先頭を行くのは腹立たしいことに、本日着物装備の袁紹の黄色い車
俺は自分の赤い車で袁紹の車を思いくそはね飛ばすと立ち上がった

「あああみょうじ貴様あああ!!」
「おっしゃお前ら!年が明けんぞ!!」
「おお!いよいよ年越しなのだな!」
「年越しぐらい静かに出来ないのか貴様ら」
「悪いけど俺たち…「○く年くる年」とか、見ねえから!」

わ、私とて見んわそんな加齢臭のする番組!と憤慨する司馬懿をおいといて俺はにわかにそわそわし始める
それを見て張遼と馬超も立ち上がる

「なまえ殿、あれをなさるおつもりかな?」
「俺も準備は整ったァ!!」
「よっしゃ!お前らタイミングを逃すなよ!」
「え…あれとは一体なんのことなのだ…」
「あー、大したことではない。
全く、毎年毎年飽きずによくやるわ」

ハン、と偉そうに言う袁紹の頭をそわそわついでにテニスみたくスパン!とはたくとめっちゃいい文明開化の音がした

「あはははは!袁紹頭の中身どっかおいて来ちゃったんじゃないの!?」
「これは幸先のいい音だな名族殿!!」
「ほほう、袁紹殿にもそんな特長があったとは」
「うるさァい!!人の頭を楽器みたいに…!」
「袁紹、声が裏返っているぞ」
「あっやべやべ、カウントダウン始まってる!!」

テレビに視線を戻せば10!9!と歓声が大きくなる
俺たちはいよいよ身をかがめて、ラスト3秒を待った…!

「2…1…!」
「おめでとーりゃあっっ!!」
「せやあっ!!」

年明けとともに俺らは高くジャンプした!!
そう、年明けと言えばジャンプ!!
テンションがピークになる中、袁紹の上に着地を決める俺!!

「ぐぇえっ」
「おめでとー!!フー!!」
「おお、めでたいな!!いえいいえい!!」
「うむ、いい年明けですな、むぐむぐ」
「いやー2012初ジャンプ!あざーっす!!」
「「あざーっす!!」」
「…」

俺らがいきなりジャンプしたのにビビったのか、こっちを見て固まっている司馬懿
かわいそうに、こいつは年越しの瞬間、こんな間抜けな顔を…

「余計なお世話だ馬鹿めが!!なんなのだ貴様ら!その不可解な行動を説明しろ!!」
「えっ司馬懿知らないの〜!?」
「ぷぷぷ、笑っちゃいますな司馬懿殿」
「饅頭のカス口につけて笑われても悔しくないわ!!」
「年越しのジャンプすることで、俺たち年明けの瞬間何処にいた?」
「どこって…ここだろう」
「バァカ違えよ!地上にいなかったろうが!!」
「くだらああああああん!!!」




→年越せ!蜀編



Back
Top

-
- ナノ -