マクロスF 長編 | ナノ

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「…どうしてここに……」

「先輩の彼女さんが…」

ミシェル、ルカがそれぞれ今の状況に驚いていた
そう 今の状況とはS.M.Sの食堂で隊員が集まっているからさっき戻って来た俺とミシェルとルカで見に行ったところ シャーリーがオズマとお茶を飲みながら話していた
もちろん“ウミ”とバレないようにニット帽を被っている

『アル!』

俺を見つけたようで周りの隊員達の間を通って俺の元に来ようとするシャーリーの姿が愛しくてアイツが飛び付いて来たのを受け止めて抱き締めた
可愛すぎる…ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ

「お前なぁ…なんでここに居るんだ?」

『アルに会いたかったから!』

ニッコリと微笑むシャーリー
その表情が可愛くてまた抱き締めてしまった
後ろでミシェルが撃沈したなって言うから うるせぇと返した
すると腕の中でもぞもぞと動くシャーリーに視線を移すと 俺を見上げてまた笑いながら

『アル 大好き!』

そう言ったシャーリーに今度こそ撃沈してしまった
さっきも軽くノックは食らっていたが、今のは完全に撃沈
顔が紅くなっていくのがわかり シャーリーをぎゅーっと抱きしめながら あいつの耳元で俺もと言った
そんな俺とシャーリーの様子に他の隊員は驚いていた
それもそのはずだな、噂では俺がシェリルとランカのどちらかが好きって噂が流れてるらしいが俺はずっとシャーリー一筋だからな

「まさかソイツと出来てるとはな」

『これでも三年付き合ってるんだから』

オズマの言葉に普通に笑いながら返事をしてる……が、ちょっと待て!

「シャーリー どうしてここに来る事を俺に言わなかったんだ?」

『ドッキリ作戦!みたいな』

また笑顔で返す言葉にため息を軽く吐きながらも頭を撫でた
本人は嬉しそうにしてる

「それよりどうして姫の彼女がここにいるんだ?」

「そうですよ!ここは一般の人は」

「それが一般じゃねぇんだ」

ルカの言葉の続きがわかっていたオズマが話を入れた
一般の人は確かに入れない
でもシャーリーが入れる事は俺も知っている
シャーリーは隊員でも無ければ一般でもない

「シャーリー・クロアの父親は俺の親友で凄腕のパイロットだったんだ」

オズマの言葉にミシェルとルカは驚いた顔をしていた
とりあえず俺達はシャーリーとオズマの近くの席に座る事にした











私の両親はS.M.Sのパイロットだった
私が産まれる前もその後も
だから私はよくアイリスの家に預けられた
でもアイリスも仕事とかで家を空ける時が多かったからアルの家に預けられた方が多かった
私のお母さんとアイリスは大が付く程の親友で、アルのお父さんと私のお父さんが先輩と後輩だった
だからアルとは幼馴染み
そんな私はよく可哀想って言われてた
別に可哀想な子だと私は思わなかった
私はよく寂しいでしょって言われてた
側にアルが居たからそこまで寂しくなかったし 両親は私と居る時間を仕事で疲れてても大切にしてくれてた
それに仕事が終わったらいつも両親が一緒に迎えに来てくれてた
ただ…、あの日は何かがあるような気がして玄関から一歩も動かなかった
アルに遊ぼーって言われてたけど、ただずっと玄関の扉を開けて「シャーリーごめんね」なんて言いながら優しく抱き締めてくれる両親が来るのを待っていた



でも 大好きな両親はもう二度と私の前には現われなかった



「…シャーリー?」

私を呼ぶ声に我に戻った
私を呼んでいたのはアルで私がぼーっとしていたから心配して声をかけてくれたみたい
私のお父さんが凄いパイロットだった事を話していたオズマやその話を聞いていたミハエル君とルカ君も心配そうに私を見ていたから大丈夫だよと笑顔を見せた
オズマ達はなら良かったって言ってまた話を続けた
でもアルはそうはいかない

「…本当に大丈夫か?」

隣に座るアルが私の手を握りながら私にだけ聞こえるように声をかけた

『本当に大丈夫だよ、ありがとう』

私はアルに微笑みながら返事をし、アルの肩に頭を預けた









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