シューティとサトシ 1/3







朝早くから出たのもあり、今はアララギ博士という人が居るカノコタウンに着いた
町の中にある研究所と思われるところに向かう
また人と関わるのかとため息が出そうになる
だが、それぞれの地方のポケモン図鑑を貰わない事には旅も始まらないから仕方ない

「ふぅん…」

心配そうに鳴くアブソルに微笑んで頭を撫でた
そして研究所の扉の前に着き ノックする
すると女の人の声が聞こえて扉は大きく開いた

「貴女はもしかしてオダマキ博士が言っていたシーナちゃん?」

白衣を着た女の人が私を見るなりそう声をかけてきた
オダマキ博士は家族と同じで唯一大丈夫な博士
小さい時からずっとポケモンの事を教えてくれた人で私がシンオウ地方に行った時も今回のイッシュ地方も それぞれの地方の博士に連絡をしてくれたのがオダマキ博士なのだ

『はい アララギ博士ですか?』

ここはやっぱり顔を見せないといけないかと思い アララギ博士と思われる人の顔を見る
思っていたより若かった事に驚いた
そして博士も私の瞳の色や髪の色に気付いたらしい

「貴女の瞳の色に髪の色…
アブソルに似ているわね」

興味深そうに見る博士に私は少し目を反らす
アブソル自体は大好きなのにちょっとしたトラウマがあるから見られるのは慣れない
するとさっきまで私の後ろに居たアブソルが博士と私の間に入り 博士を睨みつけていた

『アブソル 大丈夫よ』

そう言うと私の方を見上げて 足に擦り寄るアブソル
博士はアブソルの顔の傷にも驚きを見せていた
けど博士は笑顔を見せた

「貴女達 かなり強い絆で繋がっているのね
アブソルはいつ捕まえたの?」

博士の言葉に私は思わず考えた
過去の話はしたくない

『捕まえてはないです
お互いに気が合って それからずっと一緒にいます』

嘘は吐いてないから大丈夫
深い事までは言うつもりはないし
博士はこんな事があるの!など言いながら驚いていた
さっきから何回驚いているのだろうとか思っていると本題に戻った

「図鑑なんだけど 実は今日からトレーナーになる新人さんとシーナちゃんと同じようにイッシュ地方に来る男の子がいるの
その子達にも渡すから一緒でもいい?」

新人トレーナーか
最初のポケモン3体が気になるから見てみるか
人がたくさんいるのは辛いが

『構いませんよ』

「ありがとね
確かシーナちゃんと同じようにイッシュ地方に来る男の子はカントー地方から来るサトシくんって男の子だったかな?」

サトシか
確かホウエン地方でハルカとマサトと旅をしていた男の子だったっけ
ハルカもマサトもよく家に来ていたからあの2人とは仲が良い
ハルカ達の前に旅に出たからホウエン地方ではたまに会った事はある

「シーナちゃんもかなり強いって聞いたけど サトシくんと勝負してみたら?」

『いえ、結構です』

私の一言に苦笑する博士
何が好きで勝負する
野生のポケモンやジムなら分かるけど

「それじゃあこれからサトシくん達を迎えに行かないといけないのよ
よかったらシーナちゃんも一緒に」

『研究所で待っています』

私の答えに軽くため息を吐く博士
何が好きで迎えに行かないといけない
しかも知らない人の迎えなんて

その後 アララギ博士はサトシを迎えに行き、私は研究所のロビーでアブソルを撫でながら待っていた








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